01:一緒に…しない?
殴り書きなので誤字などありましたらご報告ください(´ヮ`;)
『────放課後、屋上で待ってます』
こんな手紙を机の中に入れられて落ち着ける男はいるだろうか?いや、いない。
俺…成瀬 総二は朝、机の中に入っていた手紙の内容を脳内で再生していて授業どころではなかった。何せ、これまで恋愛のレの字すらなかったのだ。ある意味当然とも言える。
(女の子から告白とかマジかよ…告白されるのとか初めてだからちゃんと返事返せるか練習しとくか?)
「おい、成瀬」
嗚呼…放課後が待ち遠しい!放課後になったが最後、俺はついに…!
「おい、成瀬」
「何だようるさいな、俺は今放課後の事を考えるので忙し」
「ほう、私の授業を差し置いて放課後の予定を考えるか。貴様にはこの範囲が完全に理解出来ているらしいな成瀬?」
…そこに聳えたるや、かのエベレストの如し。俺の担任教諭、御剣 千冬が凍てつく微笑を浮かべながら、俺の目の前に立っていた。
「違うんです、先生。俺の人生の進退に関わるんです!」
「では、私の授業は貴様の人生の進退には関わらんのか…そうか、残念だな…非常に残念だ」
こうなった場合の千冬先生は拙い…
「千冬先生すいません、反省してますんでどうか授業を」
「すまない、では授業を再開するぞ。…それと成瀬、貴様は放課後、指導室だ。」
「……はい」
────放課後
「…ようやく終わった」
1時間にも及ぶお説教で俺はゲンナリしていた。
「そういえば、屋上に行く約束…」
授業が終わって1時間は経っているがまだいるだろうか?
「行くだけ行ってみるか」
いなければそれまでである、手紙をくれた人には悪いが。俺は期待半分、諦め半分で屋上へ向かった。
キィ…と屋上へ繋がる扉を開くと眩しい夕陽が射し込む。屋上自体、入れる事を学生はあまり知らない。俺だって、ついこの間姉に言われて初めて知った。夕陽に慣れてきて目を開いてみれば誰もいない。
「さすがに帰った、か」
1時間も待たされれば帰るよな、俺だって恐らく帰る。俺も帰るか、と後ろの扉に向いて歩こうとした時、女の子が扉に隠されて蹲っていた。あれは…
「おい、凛香?」
そこに蹲っていたのは幼馴染の凛香だった。凛香がここにいるのも珍しい、というのも彼女は放課後になるとすぐに帰っている姿を何度も見ていた。だが、凛香は蹲って気持ちよさそうに寝ていた。
「凛香、起きろよー…」
「んぅ……?」
揺すってみるとわずかに起きたみたいだ。
「凛香…そんなとこで寝てると風邪引くぞ?」
「あ…成瀬君…って私寝てた?」
「ああ、気持ちよさそうにな」
「〜〜っ!」
気持ちよさそうに寝ていたことを告げると凛香は顔を真っ赤にしていた。
「そうだ、凛香。凛香の他に誰か来なかったか?屋上に用事があって来てみたんだけどよ」
「ん、そのね…手紙なら私が置いたの」
「凛香が?」
「うん、どうしても伝えたい事があって」
あの引っ込み思案の凛香が手紙を使ってまで俺に伝えたい事…これは本当に告白なのではないだろうか?
「その…成瀬、君。」
「ひゃ、ひゃい!」
むっちゃ噛んだ。
「私と……一緒に…」
「一緒に…」
「私と一緒に…しない?」