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『三國志Ⅲ』と『SUPER信長の野望 武将風雲録』

 私が中学一年のときに、スーパーファミコンを買ってもらった。最初に買ったソフトは『ファイナルファンタジーⅣ』、いまだにおぼえている。クリアできなかった。FFは2と4と6、偶数番をクリアできない(しない)というジンクスがあった。3と5と7はクリアしたのだ。


 ファミコン→ディスクシステム→ファミコン→スーパーファミコン→プレイステーション→プレステ2→Wii→3DS→保留

 わが所有ハードの遍歴である。ファミコンに『武田信玄』というクソゲームがあったので、その話を少しだけする。メーカー名は忘れた。セーブ機能は、復活の呪文。人物は武田信玄しか出てこないけど、グラフィックは8ビットマシンにしちゃけっこうリアル。戦に勝つとほくほく顔、負けると苦虫を噛みつぶす。漢字をふんだんにつかっているあたりは、あの当時としてはすごかった。ただ、疑いようのないクソゲー。こちらの兵力は削られるのに、敵の兵力がまったく減らない。攻めこんでも、攻めこまれても。削ったはずなのに、元の木阿弥。戦略性もへったくれもない。……とまあ、『武田信玄』への恨みつらみはこのへんでやめておく。

 スーパーファミコンで初めて、光栄というゲームメーカーを知った。いまはテクモと合併して、コーエイテクモになっている。大河ドラマ『真田丸』の3D画面を担当したシブサワ・コウは、中二の私にとってカリスマであった。

 『三國志Ⅲ』。中二の私を夢中にさせ、何度も何度もプレイしたゲーム。洗練されたグラフィックと音楽。スケルトンタイプで勢力図が透ける戦略画面は斬新だった。年代ごとの六つのシナリオ。新武将登録機能で、中二の空想癖をみたす。軍師と将軍と武官と文官。軍師になるには、知力80以上。将軍になるには、武力85以上ないしは武力陸指水指70以上。陸戦指揮と水戦指揮の能力で、統率できる兵力に差が出る。武官は軍事コマンドのみ、文官は政治コマンドのみ実行可能である。アイテム補正で武力知力政治が100を越えるのも魅力。偽玉璽にせぎょくじなんてアイテムもあって、パラメータ上は本物の玉璽と同様に魅力が100になる。じっさいには魅力の数値は変わっていないという罠。

 野戦と籠城戦の、美しい立体画面。守備側に軍師がいると、落とし穴をしかけられる。「私としたことが不覚……」と、穴に嵌まった武将が言う。攻撃側に軍師がいると、落とし穴の位置を予想してくれる。手に汗握る一騎討ち。「遊びは終わりだ、本気で行くぞ」という台詞が出たら、勝ちは決まったようなもの。敵将を負傷させて、その武力を下げてしまう。武力に差があると、すれちがいざまの一撃で勝負が決まってしまう。レアケースでは「こいつはかなわん」と逃げだした敵将に、矢を射かけて討ちとる。

 最初は一ヶ国のみ経営している君主をえらびたい。最初から三国四国を経営している君主は、気分が萎える。一国から領地を拡大させて、武将を殖やしてゆくのがたのしい。曹操でやるなら、シナリオ1。それ以外だと多国経営になってしまうから。多国経営でも、シナリオ6の劉禅は必ずプレイする。姜維きょうい夏侯覇かこうはのコンビで、魏を切りとってゆくたのしさ。いろいろな君主で始めて、何度もプレイした。私の思春期を注ぎこんだと言っても過言ではない。


 しばらくして、級友から『SUPER信長の野望 武将風雲録』を借りた。『三國志Ⅲ』とのトレードである。これが私の、『信長の野望』初体験である。『三國志Ⅲ』より、ゲームとしてはシンプル。しかし、良作である。以後『信長の野望』シリーズをいくつかプレイしているが、『武将風雲録』が最高におもしろかった(『三國志Ⅲ』もそうである。最初にプレイした作品がシリーズ最高傑作に感じるというのは、私のジンクスであるらしい)。タイトルにSUPERとつくのは、ファミコン版があるからである。

 音楽がすばらしい。『三國志Ⅲ』の音楽もよかったが、菅野よう子作曲の音楽は美しい。『武将風雲録』の音楽がいちばん好きで、いまでもYoutubeにアップされているものを聴く。オープニングはその音楽と相まって、美意識が凝集されたものである。あの芸術を、私の筆で穢すことはしない。Youtubeにあがっているものを観ていただのが一番である。

 一般大名の戦略コマンドの音楽。今川・足利の戦略コマンド。上杉謙信の野戦。織田信長の野戦。好きなそれらのなかでも、一般大名戦略コマンドの音楽がいちばん好きだと言える。聴いていて心地よいし、飽きない。ずっと聴いていたい。これらの音源をサウンドトラック化したものに、オーケストラのバージョンがある。こちらのほうがオリジナルであるだろうし、音楽家が表現したかった音はこちらであるのだろう。こちらももちろんいい。けれど私の心には、スーパーファミコンの音源が沁みる。16ビットの制限された音の連なり。そこに「テレッテレッ」というシステムサウンドや、「プルプルプルン」「ブーッ」というビープ音があわさる記憶を反芻するのが心地よい。

 『武将風雲録』については、美しさについてしか語っていないことに気づく。ゲームとしては、版を重ねたもののほうがおもしろいにちがいない。『覇王伝』から采配と戦闘の能力が分けられ(『覇王伝』は、戦闘と戦略待ち時間が長すぎるので挫折)、『革新』の技術システムはよかった。『創造』と『立志伝』もやってみたくはある。だが、いまやりたいと思うのは『武将風雲録』である。

 3DSで『武将風雲録』のリメイク版が出ているのを、3DSを売っぱらったあとに知ったのである。痛恨。3DSを買いもどさなければならない。3DSを売っぱっらたのは、「小説家になろう」を始めたから。ゲームもやらないだろうと思ったから。リメイク版をやりたい。だから買いもどすにちがいない。

 ただ、飽きてしまうことも知っている。歴史シミュレーションゲームがおもしろいのは序盤と中盤で、終盤は消化試合みたいな感じになってしまうのだ。強化された自軍で手ごたえのない敵を征服したところで、おもしろみを感じない。それをくりかえしたあげく、飽きて売ってしまう。だがしばらくすると、またやりたくなって手ばなしたことを後悔する。それがわかっていて、私は3DSを買いもどすだろう。また手を染めてしまうジャンキーのように。

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