表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

未来から来た研究者

20xx年。200年後の未来から来たと主張する男が現れた。

男は研究者で過去の世界を調べに来たという。


男が言うには未来の世界では150年後の自然環境の変化などで世界人口は大幅に減ったらしい。

そして、この時代が最後の、重要なターニングポイントだそうだ。


男は未来を次々に言い当てていったが、オカルト扱いされ、国家には相手にされなかった。

多くの人は150年後まで生きてるわけではないから、興味のない話だったのだろう。


男は未来に帰ると言い始めた。過去は変えられないと諦めたからだそうだ。

多くの人は注目されなかった男が詐欺師を引退するものと考えた。

最後に男はインターネットで生放送インタビューに応じることにした。


インタビュワー「世界の破滅を止められないから未来に帰るそうですね?今のお気持ちは?」

男「無念です。しかし、我々の貴重なリソースを過去を変えるための研究から他の研究に向けることに役立つでしょう」


インタビュワー「今度はどのような研究にとりかかるのですか?」

男「まず人類滅亡などに備えたパニックした人々の行動研究、それからは地下都市開発、その後は宇宙開発です。過去を変えるのは諦めて、未来で出来ることをしますよ」

インタビュワー「へ~意外といろんな研究に割く余力が人類に残ってるのですねえ?」

男「いままでは過去を変えるための研究に全力を割り振っていましたから。世界中の頭脳と資源がその計画の研究に当てられていました。」


インタビュワー「次にパニックの研究と」

男「一部地域の切り捨てをしなければ人類は生き残れないかも知れません。地下都市開発や食料の配分で様々なトラブルが予想されます。

また実験の中で今まで以上に効果的な対処法が見つかるかもしれません。

残念ながら我々の世界では150年後の急激なパニックにより様々な都市や国が破壊され、それらの地域では当時の記録も残りませんでしたのでデータが不足しているのです」


インタビュワー「どうやってその研究を?」

男「コンピューターによるシミュレーション上でですが、再現された世界で様々なパニック状態を起こします。

核戦争。塵によって太陽光の届かない世界。極端に少なく汚染された食料。魚の住めない海。人はみな短命で、救いのない世界です

我々の世界で実際に起ったことや、想定される危険を再現していきます。シミュレーション上の人間一人一人に、人格まで再現した高性能なAIを使っているので、高精度な演算が可能なのですが、そこまで高度なAIだと、どうして人道上の問題が取り沙汰されまして…ですが今回、過去を変えれないことがわかり、規制が緩みました。また過去の研究をやめることでパソコンに空きが出るんですよ」


インタビュワー「うわー残酷ですけど、人類を救うためですものね。まァ相手は所詮コンピューターでしょう?気に病むことはありませんよ」

男「そうですね。そう言ってもらえると気が休まります。我々も他の方法はないか必死に模索したのですが、不可能でした。苦肉の策としてこの研究を行います」


インタビュワー「実験は未来に帰ったらすぐ始めるのですか?」

男「いえ、今すぐですよ」

インタビュワー「今すぐ?ここでw?」

男「ええ、手始めにこの国にA国からいくつか核ミサイルが発射されました」

インタビュワー「えっ?」

男「ここはタイムマシン開発実験のために、過去をどういじれば最も良い未来に繋がるかのシミュレーションだったのですが、どうにも上手く行きませんでした。ですのでタイムマシンは諦めることになったのです。

まあ、みなさんは所詮コンピューターですから、ネ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ