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反逆正義(リベリオン・ジャスティス)Phase One——Ten days in heaven(or in hell)  作者: 九十九 零
第2章 ヘブンインヘル転学編・波紋を呼ぶ奇跡
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リボルト#10 轟く雷鳴、怒濤の嵐 Part1 新たな力、覚醒の予兆

アバン


秀和「よし、この模擬戦で新しい技を習得して、恋蛇団ウロボロスの連中にリベンジをしてやろうじゃねえか!」

哲也「君は相変わらず気が早いな。『急がば回れ』だぞ」

広多「その通りだな。あの連中は想像以上に強い。下手したら死ぬかもしれんぞ」

秀和「だからって何もしないわけにはいかないだろう? みんなの自由を勝ち取るためにも、リーダーの俺は頑張らないと!」

聡「おっ、いい意気込みじゃねーか秀和! 応援してるぜ!」

菜摘「きっとそう答えてくれると信じてたよ、秀和くん! ファイトー!」

壊時「おい、いつまでお喋りしてるんだ? このオレがわざわざ時間を割いてやってきたんだぜ、さっさと模擬戦を始めろよ!」

秀和「おっと、いけねえ! そんじゃ、行ってくるぜ、みんな!」

千恵子「いってらっしゃいませ、秀和君」

リボルト#10 轟く雷鳴、怒濤の嵐

Roaring thunder,surging storm


「はあああああーーー!!!」

「おりゃああああーーー!!!」

 俺と壊時は、雄叫びを上げながら相手に接近する。対して俊介は、落ち着いて様子を見ている。

「行くぜ! 千里の一本……うわっ!」

 俺は早速右手を上げて久々にあの格好いい技を決めようとするが、突然飛んできた何かが俺の集中力を邪魔し、やむなく身をかわす。


「ちっ、思ってたより反射神経がいいじゃねーか! てっきりぼーっとして、マトモに喰らうのかと期待してたぜ」

 攻撃を外した壊時はとても悔しそうに言っているが、顔に浮かんでいるその笑みからこの戦いを楽しんでいることが分かるぜ。

「落ち着くんだ壊時。こっちが先に技を出したら対策を練られるだろう? まずは様子見だ」

「るせぇ! お前の戦術(タクティス)には付き合ってらんねえよ! 今はストレス発散のほうが大事だぜ!」

 俊介が親切に忠告をしたものの、ハイテンションの壊時はまったく聞く耳を持たない。

 やれやれ、相性の悪いコンビだな。自慢じゃないけど、俺と哲也ならこのような問題はないけどな。


「まったく、相変わらず手荒な奴だな。まあ模擬戦だからいいか」

 壊時の返答に呆れて、思わず頭を横に振る俊介。

 そういえば、さっき壊時が投げてきたものは一体何なんだ? 速すぎて姿が見当たらなかったぜ……

「うっし、もう一発だ!」

 勇ましい声を上げる壊時は、地面を強く踏みつけた。すると何もなかったはずの空から、いくつかの丸いものが落ちてくる。

 俺はその正体を確認しようと目を丸くした。って、おいおい、アラーム時計じゃねえか! なんでそんなものが落ちてくるんだよ!

 そうか、それがあいつの資質(カリスマ)なのか。さすがに時間が嫌いなだけのことはあるぜ。


「おらぁ、くらいやがれ!」

 俺はまだ驚きに浸っている隙に、壊時はすかさず両手で時計を拾い、息つく暇も与えずにそれを投げてきやがった。

 鉄製の丸い箱が弾丸のように素早く飛んでくる。空を切る音は、俺の神経を引き締める。

 あんなのに当たってしまえば、一溜まりもないだろう。まずは攻撃を避けることが先決だ。

 俺はしゃがんで襲来してくる二つの時計を回避する。その間に右腕にP2をチャージして、あいつが新しい時計を拾う前に一気に破壊してやる!

 体勢を立て直した俺は、さっき繰り出し損ねた得意技をもう一度決める。

「行くぜ! 千里の一本槍!」

 さすがは稲妻の槍、スピードはマジでハンパねえ。早くも壊時が呼び出した時計を一つずつ破壊し、やつの攻撃手段を絶やしてやった。


「うわ、なんじゃこりゃ!? お前稲妻放てるのかよ!」

 初めて俺の技を目にした壊時は、予想通りの反応を見せた。大きく動揺したあいつは、しゃがんだままでそそっかしく後ろに下がり、危うく尻餅をつくところだった。

 そんな情けない壊時を見て、俊介は苦笑しながら彼に言う。

「だから言っただろう、様子見は大事だってさ」

「もうおせえよ! やつに動きを読まれてるし!」

「……さっき言ったはずなんだけど? 聞かなかったそっちが悪いじゃないか」

「うっ!」

 俊介の的確な指摘により、壊時は一時返す言葉が見つからず黙り込んだ。グサッと心臓が刺される音が聞こえそうだ。

 しかしそんな壊時を余所に、俊介は俯いて何やら作戦を考えているようだ。もちろんそんな隙を与えるわけにはいかないので、俺は俊介を目掛けてすかさず二発目の稲妻を放った。


 素早いスピードで飛行する稲妻は、早くも目標(ターゲット)に近付き轟いた。命中したのか?

 稲妻が俊介に当たった弾みに立ちこめる煙を目にした俺は、何故か物凄くイヤな予感がする。


 そうか、思い出したぞ。アニメや映画とかでよくあるシーンなんだけど、味方の攻撃が敵に当たる瞬間に必ず煙が立ち上って、みんなが「やったか!?」と勝利を確信したかのように喜ぶが、この場合は味方の攻撃が絶対に通用せず、ただ敵の嘲笑が響くだけだ。

 まさかこんな時も、こうなるのか……?


 こんなことを考えている間に、煙は徐々に散っていき、二つの人影(シルエット)が見える。その様子からすると、どうやら無事のようだな。

 敵じゃないから心配する必要はない一方、俺は自分の攻撃が効かないことが気になる。一体どんな手を打ったのか?

「やれやれ、まさか早くもこいつを使う羽目になるとはな」

 煙のせいで二人の表情を確認できないが、俊介の爽やかな声を聞くと、どうしても余裕を持っているように感じるな。


 そして煙はついに完全に散り去って、俺は向こうの状況を確認できた。そこにあるのは、目を疑うほどの光景だった。

 なんと俊介の周りに、いくつかの光る球体が宙に浮いている。電飾(イルミネーション)のようなライトと金属の光沢が近未来感を漂わせている。


「わお、しゃれた武器を持ってるじゃないか」

 あまりの格好良さに、俺は思わず感心した。

「そうだろう? だがこの機巧六星クラフト・シックススターの凄さは格好だけじゃないぞ。これから君は、こいつの本当の素晴らしさを知ることになる」

 俺に褒められて気をよくしたのか、俊介の爽やかな笑顔は一段と輝いて見える。そしてその宣言は、俺の引き締まった神経に更なる緊張感を与えた。

 だが、相手に自分の弱っているところを見せるわけにはいかねえ。少しでも相手に優勢を感じさせちまえば、勝つのが難しくなるだろう。ここはなるべく落ち着いたふりをして、勝機を待つしかねえな。


「へー、そいつは面白いぜ。どんなものかこの目で確かめようじゃないか」

 余裕そうに言った俺だったが、実はこの時は俺の身体がぶるぶるしている。怯えているのか、それとも武者震いか、俺さえも分からない。

「そうか。ではお望み通りに見せてあげるよ」

 俊介はそう言いながら手を動かすと、彼の周りの光る球体も動き出した。そして次の瞬間、球体の真ん中にある穴がその輝きを増して、いかにも攻撃を仕掛けてきそうな予感だ。

「はああ!」

 俊介は腕を横に振ると、六つの球体は一斉にこっちに光線を発射してきた。

 なるほど、レーザーか。俺の「千里の一本槍」に似ている種類の技だが、見た目からすればこっちのほうが威力が上のようだな。

 稲妻を放てば簡単に圧倒できそうだけど、P2(ピー・ツー)を温存するためにもここは一旦避けたほうがよさそうだな。


「よっと!」

 俺は身を投げ出して、思いっきり右へとジャンプする。しかし、それも俊介の戦術の一部だった。

「今だ壊時! 仕掛けろ!」

「おうよ! へっへー、これで逃げられると思うなよ、新入り!」

 俊介の呼び掛けに応じて、壊時はニヤリと不気味な笑みを浮かべる。

 ……しまった。俊介に気を取られて壊時のことをすっかり忘れてたぜ。

 俺がジャンプしている時に、壊時はすでに俺の着地場所を予想して時計を投げてきやがった。

 しかも数は一つだけじゃない。たとえ一つ目がかわせるとしても、次のやつがすぐにやってくるだろう。

 ならば、この窮地(きゅうち)を打開する方法は……!


「千里の一本槍……」

「はっ、またそれかよ! 確かにお前のその技がすげーけどよ、直線しか飛ばねえのならどうってことはねーぜ!」

 俺の稲妻のパターンを見切ったかのように、壊時は不敵に笑う。

 だがそんなことは、使い手の俺は百も承知だぜ。だからこそ、そろそろこんなワンパターンの技を変えねえと……!!

 もうあんな悔しい思いはしたくねえ。強くならねえと、この戦場じゃ何の意味もありやしねえ!


「ん? いつもと様子が違う……まさか!」

 鋭い勘を持っている俊介は、早くも俺の変化に気付き、顔色も険しくなった。さすがだと言いたいところだが、今はそんな場合じゃないな。

 力が全身に湧いてくるのが感じる。その勢いで俺はまるで勝ちを確信したかのように手を力強く握った。

 さあ、行くぜ……これが俺の新しい力だ!

友美佳「あー、もう! またいいところで切るなんて……! いい加減作者のこの手に飽きたわ!」

百華「まあ、よいではございませんか。続きを楽しみに待つのも、創作において大切なことですわよ、友美佳さん」

友美佳「そ、それはそうだけど……」

百華「それはそうと、獅子の肉を食べると鋭い牙が生えてくることはご存知ですか? こんなにたくさん食べたら、もしかしたら獅子の毛も生えてくるかもしれませんね、うふふ」

友美佳「どこで聞いた情報なのよ、それ……」(呆れ)


哲也「ところで、秀和」

秀和「ん? なんだ哲也」

哲也「またしても新しい力が覚醒したようだな。親友として嬉しいことこの上ないぞ」

秀和「ははっ、サンキューな。まあ、俺はこうしていられるのも、みんながいるおかげだけどな」

哲也「相変わらず謙遜なんだね。もう少し胸を張ってもいいと思うけど」

秀和「いやいや、本当のことを言っただけだぜ」

哲也「そうか。まあ、君のことだし、そういうことにしておくさ。それより、早く新しい力をこの目で確かめたいものだ」

秀和「オッケー、目をそらすなよ……!」

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