リボルト#08 飛び散る火花たち Part1 ヤバいやつらが来た!
アバン
???A「言っておくけど、貴様らは全員逝く! この俺様の手でなぁ!」
聡「おい、アイツまだあんなこと言ってるぜ」
秀和「あー、もうほっとけよ。どうせあいつはただ構ってほしいだけだ、無視するほうが清々するぜ」
???B「んだとぉ!? オレを無視するとはいい度胸だ! ぜってー許さねえぜ! ひゃあああああ!!!!」
秀和「おい! 危ねえじゃねえか!」
哲也「やれやれ、一難去ってまた一難か……」
リボルト#08 飛び散る火花たち
Scattering Sparks
サバイバルバトルが終わった翌日。今日も空は快晴で、涼しい風が吹いている。本来なら俺はこのステキな景色をじっくり堪能しながら風を気持ちよく感じるはずなのだが、今の俺は寮の裏にある庭で立ち尽くしている。そして期待の眼差しで俺を見つめている仲間たちが、傍らでエールをかけてくる。
「もういっかい! もういっかい!」
「今のは凄かったな、秀和! バッチリ撮ったぜ!」
「まっすぐに貫く、稲妻の槍……実にそなたらしい技だな」
そう、こいつらは俺が昨日出したあの技の凄さに心を奪われて、もう一度見せてと朝からずっと俺にねだってきてる。別に嫌じゃないけど、こんな凄い技は見せ物じゃないし、無闇に使ってしまえば後で大変なことになりそうだ。
「皆さん、いい加減にしてください。秀和君、困っているんじゃないですか」
調子に乗っているみんなをたしなめる千恵子。うん、ちゃんと分かってくれてる人もいるんだな。
「だって~、せっかく秀和くんのかっこいいところが見られるんだから、見なきゃ損だよ! 千恵子ちゃんだって、さっき秀和くんが稲妻を出した時に、一瞬ドキッとしたでしょう?」
菜摘は頬を可愛く膨らませながら、自分の主張をはっきりと言った。反論された千恵子は、一瞬ぎくっと動揺した。
「そ、それはそうですが……」
「否定はしないんだ」
千恵子と菜摘の会話が続いていく中、突然美穂が二人の間に割り込んだ。
「あらぁ~? 千恵子、さっき『秀和君』って言ってなかったかしら? 昨日から気になってたんだけど、あなた、いつの間に名前を呼ぶほど彼のことが気に入ったの?」
「み、美穂さん……!」
「それにしても、本当いいところ揃いね~。美人の上に性格がいいし、おまけにおいしい料理も作れる! くぅー、羨ましすぎるわ! まあ、これさえあれば、どんな男もイチコロなんだけどね~」
美穂は小指と親指以外の三本の指を伸ばし、千恵子のグラマーな胸の上でS字形に滑らせる。
「ひゃあ! ちゃ、茶化さないでください、美穂さん!」
未だに美穂のセクハラ攻勢に抵抗できない千恵子は、体が反射神経の働きによって大きく跳ね上がり、美穂から離れると腕で胸を死守する。
「もう、相変わらず初なのね。菜摘も気を付けなきゃダメよ。ある意味、アンタの一番のライバルだわ」
「わ、私だって……! もう少し寄せたら大きくなれるんだもん!」
菜摘も負けまいと、自分の胸を張ると気合いを入れてそれを真ん中に寄せ上げる。
「い、いけません菜摘さん! はしたないですよ!」
そんな菜摘を見ていると、千恵子は大声で注意する。
「う~ん、どれも形も大きさが素晴らしいなぁ~。うちのチームって、なかなかいいもんが揃ってるぜ」
今まで普通だった直己は、この桃色の空間でついにどスケベ根性が全開し、あごに手を当てながらじっくりと観賞している。それが女子たちの反発を招いてしまい、この後莫大な罰を受けることを彼はまだ知らない。
「「「きゃああああーー!!! エッチ!!!」」」
普段穏やかな女子三人も、この場合では自分の体面を保つことを忘れて、ビンタを直己の頬に往復させてダメージを喰らわせる。
「もう、目を離した隙にこんないやらしいことを! そこで直りなさい!」
そして風紀委員の名雪は、突然直己の後ろに姿を現し、大きなハリセンを振り下ろして彼の頭を叩きつける。
「うがっ!」
バランスを崩した直己は、そのまま倒れ込んで、ケツを突き出すという間抜けなポーズになっている。はあ、やれやれだぜ。
しかし、俺たちのこの平穏な朝は何の前触れもなく、大砲のような大きく轟く騒音に干渉されてしまう。その後に続く硝煙のにおいが、俺たちの不安を引き起こす。
「ど、どうしたんだ!?」
「分からない……とりあえず行ってみよう!」
真相を知るべく、俺たちは急いで音がした方向に向かって走り出す。そして入り口の前にある広場にたどり着いた俺たちは、とんでもない光景を目の当たりにしてしまう。
見た目が俺たちと同じ年頃のようだが、見知らない何人かの学生たちは、炎を出したり爆弾を投げつけたりして、やりたい放題をしてやがる。
「おい、挨拶をしにきてやってんのに、誰もいねえのかよ! もしかしてビビってんのか、あぁん!?」
リーダーらしき人物は、禍々しい赤い瞳を光らせながら、全身に忌々しくて黒い炎を纏わせて周りをお構いなしに放射していやがる。その慇懃無礼かつ傍若無人な態度は、実に癪に障る。
「きえええええ!!! てめえら、しっかり拝めよ! どうだ、この爆弾の威力、すげえだろう! これはオレが作ったんだぜ! ふふふふふふははははは!!!」
その近くにいる爆弾魔は、俺を見てくれと言わんばかりに奇声を上げながら、自慢の手製爆弾を投げまくる。なんてクレイジーなやつだ。
あれ、よく見るとこいつは、この前にBクラスで写真を燃やして、股間までに燃え上がるほどの火を起こしたやつじゃねえか! よくあんなに元気に動き回れるな……
「な、なかなかいい場所だけど……ウチらほどじゃないよね」
イカレ野郎と爆弾魔の後ろに、女子が一人いる。山ガールを思わせるような長い二本の三つ編みとそれに似合わない金色とのギャップは、とてつもない違和感をもたらしている。彼女は金棒を当てもなく振り回しながら、あちこち床に穴を開けている。
「ふん、退屈な世界よ……自ら滅びを遂げ、新たな進化で姿を変えよ!」
山ガールから少し離れたところに、もう一人の女子がいる。小柄の体に銀髪の縦ロール、そして派手な衣装。一見宵夜に似ているが、彼女から放っている不気味なオーラがまったく可愛げがない。
そして次の瞬間に、突然空から大きな隕石が現れ、とてつもない熱気を帯びている。メラメラと燃えているそれが、空気の流れを乱して強い風を起こし、散らばっている瓦礫を巻き上げる。
さすがにこのまま放っておくわけにはいかないので、俺たちは一斉に武器を構えて攻撃を繰り出した。数のほうが勝っているこっちは、何とかその厄介な隕石を破壊できた。
もちろん俺たちの居場所はこれでバレてしまい、やつらはこっちに視線を向けてくる。
秀和「おいおい、なんだこれは……敵は教師だと知っていたけど、まさか生徒まで俺たちに反抗する気かよ!?」
哲也「いや、もしかしたらこの生徒たちは、教師に洗脳されているのかもしれないな」
イカレ野郎「ああん? なに言ってんだ貴様! 俺様は好きでこれをやってるんだぜ、文句あるか!」
爆弾魔「キエエエエエ!!! 現実逃避もいいトコだ、てめえら!」
山ガール「な、なんて酷い価値観の押し付け……これだからお金持ちは嫌いだよ」
小柄女子「未知は罪なり……そんな下等生物はこの世界において不要であるわ」
哲也「これはまた、濃い面子が揃っているね」
秀和「ああ、先が思いやられるぜ……」




