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薔薇の帷  作者: 積銀
1/7

Prolog

 この世には美しい物が溢れている。


 例えば、サファイアの指輪。琥珀のネックレス。花の王冠。羽根のついた帽子。美しい少女達。

 例えば、雨の後の空の虹。山の木々の緑色。夕焼け空のグラデーション。流れ星。小鳥の囀り。


 それら全ては、この世を作った神の作品。




 もしも、それらを全て手に入れられたところで



 神の作品ではないものたちは、この永遠の孤独を埋めることはできやしないのだ。



 何故こうして、常しえに生き永らえる運命にあるのか。





 生きる目的が、欲しかった……――。

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