夜蟲の歌
綴じたいよ
もう二度めなんか
ないからさ
この夏を留めて
思い出したい
漆黒の
帳にたゆう
銀の月
羽蟲たちよ
泣き止んでくれ
ただひとつ
たしかなことを
知っている
そんな気分の
8月一日
見掛けだけ
どんなに立派な
翼でも
届かないんだ
存在理由
気味の悪い
音だけつれて
急行が
破れた夢を
燃料にして
人の夢
以外に儚い
ものはなに?
君の心とか
かげろうとかさ
飛び乗った
電車の窓に
書きかけた
忘れないよを
ゆっくり消した
離れてた
意味をあなたに
携帯で
送ってなにかが
終わってしまう
ぶっとばせ
まだまだぎりぎり
間に合うはず
なにかが終わって
しまわぬように
出逢えれた
奇跡が実感
し辛いよ
まるで当然
みたいに出逢えた