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暗くなってからの外出は控えましょう

いよいよ登場か・・・・・?

バレンシア様が夕刻に御着きになられたころ、ベルゼン邸の慌てようはそれはそれはすごいものでした。

というのも娘のアリアが脱走してしまったからです。

バレンシア様をお呼びしておきながら大変に申し訳ないのですが、と素直に謝罪ができればよかったのですが、それはあまりに失礼と考えたアレックスは病でふせっていることにしました。

そうすればアリアを屋敷に戻してバレンシア様とお食事するまでの時間くらいは稼げると思ったのです。

バレンシア様は大変に見目麗しい方でした。ハニーブロンドの髪は太陽に輝くとまるで天使のように輝きました。背も高く、顔立ちは少々中性的で夜会のご婦人たちの間でも噂になるほどでした。

しかし浮いたところはなく、三年前に父君が亡くなって以来、屋敷を継いで立派にやっていました。



しかしバレンシア様はアレックスが嘘をついていることに気づいていたのです。

屋敷の慌てようにしろ、来てすぐの謝罪にしろ、いえ、決定的なのは、下っ端のメイド達がアリア様を早く屋敷へ戻せ!と命令されているのをひそかに聞いてしまったからなのですが、ともかくこの聡明な殿方は一番まずいことに気づいてしまったのでした。

「っふふっ、本当に噂にたがわぬ、おもしろいお嬢さんらしいな。」

バレンシア様がそう一人ごちたことに誰も気づきませんでした。



   *********


さて、その頃、一方のアリアはというと。

「ぎゃっ、枝が!!」

「いったーい、転んだ!」

とまぁこんな感じでさっきまでの妖精の面影はなく、家から脱走中のお嬢様といった見た感じそのままの格好になっていました、

運よく屋敷の人間をまくことはできたのですが、行くあてもなく、挙句には暗くなって道に迷ってしまったのです。

「なんども来たことがあるはずなのに・・・道が変わってしまったのかしら・・?」

アリアがキョロキョロしながら言った独り言の返事が返ってきました。

「可愛いお嬢ちゃんじゃねえか。俺たちと一杯やろうぜ。」

こ、これは・・・・!!

もしや世に言うナンパ・・・・!?

「い、いえ、家に帰りますので。」

そう言ってアリアは踵を返そうとしましたが腕を掴まれてしまいました。

相手の男たちは3人。

どれも屈強そうな男ばかりです。

アリアに勝ち目などはありませんでした。

怖くなってアリアは叫びました。

「いっ、嫌っ!!離してっ!!」

「離すわけねーだろ、なぁ?」

仲間たちがゲラゲラと品のない笑い声を出します。

アリアは下唇を噛みました。

こんな男に屈したくない・・・・!!

その時でした。

風が強く吹いたかと思うと見知らぬ男が立っていました。

「な、なんだお前は・・・!!」

「貴様らに名乗る名などない。」

言うなり男は瞬殺で男たちを倒してしまったのです。

「し、死んじゃったの・・・?」

アリアが怖くなって聞きました。

「この者達を案じているのか・・?」

「え?」

「いや、・・・なんでもない。この者達は気を失っているだけだ。時期に目を覚ますだろう。」

アリアはほっとしました。

そうして男に礼をしていないことを思い出して男の方を向き直りました。

黒いマントにシルクハット、そして仮面をつけていて姿がよく分からないけれども、シルクハットと仮面の間から覗く髪は綺麗な銀色でした。

「助けてくれてどうもありがとうございました。」

「まったく、そう思うなら一人で出歩くのはやめるんだな。」

アリアの全く予想しない返答でした。

そりゃ私が悪いって分かってるけどもうちょっと言い方ってもんがあるじゃない・・・!!

「あ、あなた名前は?」

「・・・・ビセ。」

「ビセって言うの。私アリアよ。」

「あんたお嬢さまだったのか・・・。」

この辺りではアリアたちベルゼンの名前は有名なのです。

「そうよ?あなた私を知ってるってことはこのあたりの人なのかしら?見ない顔だけど。」

「あー、まぁそうとも言える。」

「どっちなのよ・・・。まぁいいけど、助けてくれたし。」

「お嬢様がなんでこんなところに一人でいるんだ。お付きの奴らもいないじゃないか。」

「まいたの。」

「は?}

「だから逃げて来たのよ。」

言った瞬間ビゼは吹きだすように笑いました。

「はははははー信じらんねぇ!!そんなお嬢様あんたくらいだぞ?はははははは。」

「う、うるさいわねっ、分かってるわよ・・・。だって仕方なかったんだもの。」

「何が?」

「今屋敷に隣町のバレンシア様が来ているの。」

知ってるでしょ?と聞くと、隣町の・・・?と少し考えてからビゼは思い出したようにあぁとうなずいた。

「いつまでたっても私が縁談を拒んでいたからお父様の企みでバレンシア様をご招待したのだけど、私それがどうしても嫌で・・。」

「でもそれがイコール結婚ってならないだろ?」

「まぁそうなんだけど、何かしらアプローチされても困るのよ。私にそんな気なんてないんだから。」

「あぁ、そういうことか。なるほどな。」

アリアがどうしようか悩んでいるとビゼが

「俺がなんとかしてやるよ。」

と言ってきました。

「・・え?なんとかって・・・・。」

「まぁ任しとけ。」

仮面の奥のブルーの瞳がにっと笑ったような気がしたのでした。

出てきましたね。ビゼは謎な感じがします。今のところ。

バレンシアとアリアの絡みも書きたいなー

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