第48話 繋いだ勝利
神谷蓮が武神タケルで先鋒戦を制し、RAVEN’S NESTが10ポイントを先取したまま中堅戦へ突入する。
藤堂玲奈。
不知火蓮。
両チームにとって非常に重要な一戦だった。
「神谷選手が最高の形で繋ぎましたね!」
実況の相馬優斗が声を上げる。
「ここで勝てばRAVEN’S NESTは王手になります!」
解説の大原修司も頷く。
「METEORとしては絶対に落としたくない試合ですね」
試合開始。
一本目。
不知火が積極的に攻める。
若手らしい勢い。
圧力。
連係。
だが藤堂は動じない。
冷静に距離を管理し相手の攻撃を捌いていく。
終盤。
差し返し。
コンボ。
KO。
一本目。
藤堂。
『玲奈強ぇ!!』
『さすがトッププレイヤー!』
会場が沸く。
二本目。
不知火も意地を見せる。
研究してきた対策をぶつける。
流れを掴む。
だが藤堂は崩れない。
相手が何をしたいのか。
何を狙っているのか。
全て見えているかのようだった。
最後は投げ抜けを読んだ打撃。
カウンター。
最大コンボ。
KO。
試合終了。
藤堂勝利。
RAVEN’S NEST20-0。
会場が歓声に包まれる。
「強い!!」
相馬が叫ぶ。
「RAVEN’S NEST王手です!!」
そして。
大将戦。
真田誠司。
御剣颯。
METEOR最後の希望。
会場も大きく盛り上がる。
『御剣頼む!!』
『真田締めろ!!』
『これで終わるか!?』
試合開始。
序盤から御剣が暴れる。
圧倒的な攻撃力。
若さ。
勢い。
今までで一番動きが良かった。
一本目。
御剣。
二本目。
真田。
一対一。
だがそこから流れが変わる。
御剣が覚醒したかのようなプレーを見せる。
攻める。
崩す。
止まらない。
三本目。
御剣。
王手。
会場総立ち。
そして四本目。
真田も食らいつく。
だが最後の最後で御剣の攻撃が通る。
KO。
試合終了。
御剣勝利。
METEOR大将戦勝利。
20ポイント獲得。
会場大歓声。
「決めたぁぁぁーーー!!」
相馬が叫ぶ。
「御剣颯!!チームを救いました!!」
結果。
RAVEN’S NEST20。
METEOR20。
同点。
延長戦突入。
『また延長だ!!』
『今日何回目だよ!!』
『最高すぎる!!』
モニターに控え選手が映し出される。
RAVEN’S NEST。
黒崎豪。
四十三歳。
格闘ゲーム界のレジェンド。
METEOR。
風間蒼空。
十八歳。
将来を期待される超新星。
世代差二十五年。
まさかのカードだった。
会場がどよめく。
『豪さん!?』
『出るのか!!』
『これは熱い!!』
黒崎はいつも通り穏やかだった。
「若いのう」
そう呟いて席へ座る。
対する風間は緊張していた。
当然だった。
目の前にいるのは伝説。
動画でしか見たことのない存在。
試合開始。
序盤。
風間が攻める。
若さと勢いで押し込む。
会場も沸く。
だが黒崎は慌てない。
守る。
見る。
待つ。
相手を観察する。
そして中盤。
風間の癖を見抜く。
差し返し。
コンボ。
起き攻め。
全てが美しい。
『うめぇぇぇ!!』
『レジェンドだ!!』
会場が熱狂する。
終盤。
風間も必死に食らいつく。
あと一発で逆転できる。
そんな状況。
だが。
黒崎は最後まで崩れなかった。
投げを見てから抜ける。
飛びを落とす。
そして。
最後の差し返し。
カウンター。
最大コンボ。
KO。
試合終了。
黒崎豪勝利。
RAVEN’S NEST勝利。
30-20。
会場が爆発した。
「決まったぁぁぁーーー!!」
相馬の絶叫が響く。
「黒崎豪!!レジェンドがチームを救いましたぁぁぁーーー!!」
大原も大きく頷く。
「これが経験です」
ステージ上。
神谷が立ち上がる。
藤堂も拍手する。
真田も笑う。
黒崎は戻ってくるなり湯呑みでも持っていそうな穏やかな顔で言った。
「まだまだ若いもんには負けられんのう」
会場は大歓声。
『豪さんかっけぇぇ!!』
『レジェンド!!』
『最高の延長戦!!』
『RAVEN’S NEST三連勝!!』
こうして第三節最後の試合は終了。
RAVEN’S NESTは苦しみながらも勝利を掴み取り、首位の座を守り抜いたのだった。




