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LETHAL -俺だけが見える勝利の一手-  作者: 龍崎
第四章 プロリーグ開幕編

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第17話 大将

開幕節終了から数日後。RAVEN’S NESTのチームハウスでは次節へ向けたミーティングが行われようとしていた。


リビングには神谷蓮、九条迅、真田誠司、藤堂玲奈、黒崎豪の五人が集まっている。リーグ登録メンバーである五人だ。


テレビでは開幕節のハイライト映像が流れていた。


「LIBERTYすげぇな」


九条がソファに座りながら笑う。


「40-0は予想できなかったですね」


真田も苦笑する。


「如月って選手も面白い」


玲奈が言う。


「あのインタビュー?」


九条が笑う。


「優勝候補全部倒したいですね、だろ?」


「普通は言わない」


「確かに」


神谷も短く答える。


その時だった。


黒崎が湯呑みを置く。


「強かったのう」


全員が自然と黒崎を見る。


「じゃが一節だけでは分からん」


穏やかな声だった。


「リーグは長い。最後まで勝っとるチームが本当に強いチームじゃろう」


短い言葉。


だが全員が納得する。


二十年以上競技シーンを戦ってきた男の言葉だった。


その時、会議室の扉が開く。


「始めるぞ」


オーナーの鷹宮蓮司だった。


五人は席を立ち会議室へ向かう。


モニターには次節の対戦相手のデータが映し出されていた。


鷹宮が全員を見渡す。


「次節のオーダーを発表する」


空気が変わる。


リーグ戦では誰をどこで出すかも重要な戦略だ。


「先鋒、真田」


真田が頷く。


「了解です」


「中堅、藤堂」


「分かりました」


玲奈も即答する。


そして鷹宮は神谷を見る。


「大将、神谷」


誰も驚かなかった。


当然という空気だった。


REVOLT MAJOR王者。


チーム最年少にして最大の注目選手。


今のRAVEN’S NESTで最も勢いのある男。


九条が笑う。


「まぁそうなるよな」


「異論なしですね」


真田も頷く。


玲奈も特に反対しない。


神谷は静かに答えた。


「了解です」


鷹宮は続ける。


「控えは九条」


一瞬だけ会議室が静かになる。


日本トップクラスの実力者が控え。


それだけRAVEN’S NESTの選手層は厚かった。


九条は笑った。


「まぁチームが勝つなら何でもいいさ」


「不満はないのか?」


真田が聞く。


「別に」


九条は肩をすくめる。


「神谷が今一番勝ってるしな」


そして神谷を見る。


「大将戦まで回ったら頼むぞ」


神谷も頷く。


「任せてください」


その時。


黒崎が静かに口を開く。


「そうじゃろうな」


全員が視線を向ける。


黒崎は穏やかに神谷を見る。


「蓮は相手が誰でも変わらん」


神谷は黙って聞いている。


「じゃから大将向きなんじゃろう」


短い一言。


だが誰も否定できなかった。


鷹宮も頷く。


「その通りだ」


会議は終了する。


部屋を出る直前、黒崎が神谷を呼び止めた。


「蓮」


「はい」


「気負う必要はない」


神谷が振り返る。


黒崎は穏やかに笑った。


「お前さんはいつも通りやればええ」


神谷も小さく笑う。


「そうします」


次節まであとわずか。


RAVEN’S NESTの初陣が近付いていた。

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