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人見知りの第一王女

キルギス国-ロバート目線

やっとハバナ国に到着した。

当分、船での移動はしたくないな。

2日目は二日酔いで潰れたし。ソフィア様の侍女から貰った船酔いの薬が二日酔いにも効かなければ、今日も辛かったと思う。なんなんだあのリンゴの酒は。ソフィア様は平然と飲んでいたので、大丈夫と思ったんだが。


俺は下船の準備を従者に任せて、港に降りた。暑いけどやっぱハバナ国は良いな。


ハバナ国民は明るくフレンドリーだ。王族も市街を歩き回るし、国民との距離も近い。


そして、自慢じゃないが俺はモテる。何もしてなくても、女性たちが寄ってくる。

だから色んな女の子と遊んできた。


もちろん、王族として将来的に政略結婚をする事がある為、隠し子なんかできたらとんでもない事になる。なので身分に関わらずデートをするだけに留めておき、誰にも手を出してない。


それでも毎週の様に違う女性とデートをしていたので、どのタイプにはどういう対応をすれば好意を持たれるというのが分かるようになった。


ソフィアの様なおとなしめで、人見知りタイプは甘い言葉をかける王子様風に振る舞えばいい。


婚約式の時は俺が言った言葉に顔を赤らめて、もう絶対に俺に惚れたと思っていた。


思っていたんだが。。。。


船に乗って、日がたつにつれて、ソフィア様は俺が甘い言葉をかけても段々反応しなくなってしまった。


酔っ払った俺を部屋まで連れてきてくれて介抱してくれたし、手を握ったりしても嫌がらないから嫌われてはないと思うんだが、またあの真っ赤になる可愛い顔が見たいのに見せてくれない。


何故だろう。やはりお酒で醜態を晒せてしまったのが良くなかったのか?


港から馬車に乗って王宮までの道、ソフィア様はのんびりと外を見ていた。


人通りがい多いエリアなので馬車はゆっくりとしか進まない。


「ハバナ国の国民はみなさん楽しそうですね、それにとてもフレンドリーですね。みなさん、この馬車に向かって手を振ってますよ、若い女性ばっかり」


俺も外を一瞬見て、それから外から見えない様にズルズルと深く椅子に沈んだ。


「ロバート様?もしかして、そちらの女性の方々から隠れてらっしゃるのですか?」


この結婚話が出た時にデートしていた女の子達みんなに、これからは国の為に婚約者とだけを大切にすると言ったが、納得していないのが数人いる。


まさに今、外にいる女性達だ。


笑顔で手を振っている様に見えるが、目が笑ってない。


「ソフィア様、日差しが強いので窓から離れた方がいいですよ」


石とか投げるとは思わないが、ソフィア様が怪我したら大変だから。


するとソフィア様はにっこり笑って、俺にに馬車を停めるように言った。気分でも悪くなったかと、馬車を停めるように御者に指示する。


「ご気分でも悪くなりましたか?」


「気分ですか、悪いですね。ロバート様はここで馬車を降りた方が良さそうですね」


「はい?私は?」


「あの女性達はロバート様にお話があるんですよね。きっちり話て来た方がいいと思いますよ?」


「いや、それは無いと思うよ。君を王宮まで無事に連れて行かなきゃならないしね」


「ロバート様は私の将来の夫になるのですよね。私は将来の夫を不特定多数の女性とシャアするつもりはありませんから、きっちり方をつけてくる前、私に話しかけないでくださいね?」とソフィア様はにこやかに言う。


「ソフィア様?」


「ロバート様、私に様をつけなくていいですよ。私もロバートと呼ばせて頂きます、それでは行ってらっしゃいませ」


ソフィアは馬車のドアを開けて、ロバートを外に押し出す。


馬車の窓からソフィアが顔を出して言う。

「もう一つ、私は人見知りですが、だからと言って自分の意見がない訳ではありません。ロバートとはここの所ずっと一緒にいたので慣れてきたみたいです。これからは言いたいことを言わせて頂きます」


俺は走り去る馬車を見つめて思った。

俺の婚約者に何が起こったんだ?



思ったより早めにソフィアの性格がロバート限定で変わってきました。

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