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ハバナ国への船旅

キルギス国からハバナ国へ-ソフィア目線

婚約式の数日後、私は侍女のメアリーとキルギス国からハバナ国に行く船に乗っている。

同じタイミングで帰ってくるお兄様と何処かで会えるかと思っていたが、どうやら海の上ですれ違いになりそうだ。次にお兄様に会えるのは一年後の合同結婚式になりそう。


私は船に乗るのが初めてなので、船酔いの薬をたくさん持ってきたのだが、案外大丈夫みたいだ。反対に侍女のメアリーはひどい船酔いにかかってしまい、薬を飲んで寝込んでいる。私がいると無理をして、私の世話をしてしまうので、散歩に行ってくると甲板に出てきた。


甲板ではロバート様と乗組員の皆さんでキルギスのリンゴのお酒をかけて、トランプ大会が行われていた。


ロバート様は私がいるのに気がついて、私の方にやってた。

「ソフィア様は散歩ですか?侍女の方は?」

「メアリーは船酔いになってしまって」

「貴方は大丈夫なのですね。ちょっと意外でした」

「私も自分でびっくりしています、お酒に強いからですかね?」

「ソフィア様はお酒に強いのですか?意外な一面がしれて嬉しいです、私がトランプ大会で優勝してあのお酒を手に入れたら、一緒に祝杯をあげていただけませんか?」


私は自分でお酒に強いなんて言うなんて、はしたなかったと思っていたのですが、ロバート様は気にしていないようです。


ロバート様はあっさり優勝されて、

「このリンゴのお酒をソフィア様に捧げます」と騎士の様に片膝をついて、私に瓶を捧げてくださいました。


「婚約したとは言え、私の部屋で2人で飲むのは流石にまずいでしょうから、ここで飲みますか?」


ロバート様はいつの間にか氷とグラスを用意してくれていた。


りんごのお酒はロックで飲むかサイダーで割って飲むのが基本だ。甘いけどアルコール度は高いので飲み過ぎない様に注意が必要だ。

ロバート様は初めて飲むらしく、甘くて飲みやすいですねとどんどん飲んでしまっている。


お酒のお陰なのか、ロバート様が辛抱強いのか何とか会話ができている。私は自分が話すことに必死でロバート様がどれだけ飲んでいるのか見ていなかった。


そして1時間後、ロバート様は見事に酔い潰れた。そして甲板には見渡す限りでは、ロバート様と私しかいなかった。


さてどうしましょう。


従者さんを呼んできても良いが、その間にロバート様が甲板から海に落ちてしまうかもしれない。


「ロバート様、立てますか?お部屋に帰りますよ」


「あれーーソフィアちゃんが2人いる、俺は美人に囲まれて幸せだな」と抱きついてきた。

私は恥ずかしくて思わず突き飛ばしそうになってしまったが、未来の旦那様を支えると決めたでしょとロバート様に抱きつかれたまま、ロバート様のお部屋までやってきた。

ドアをノックするが誰も出てこない。


とりあえず、ロバート様をどうにかしないと、ソファーの方に連れて行こうとしたら。今度は顔色が悪くなってきた。

「気持ち悪い」


「え?吐きそうですか?早くこちらへ」とトイレに連れていく。


「吐いた方がスッキリしますよ」と私はロバート様の背中をさすってあげる。

お兄様も乗り物酔いが激しかったから、よくこうしてあげたな。そう言えばお兄様。船旅は大丈夫だったのかしら?


ロバート様はスッキリしたのか、今度は寝そうになっている。


そこにロバート様の従者の方が戻って来た。


「あれロバート様、戻られたのですか??あ!!ソフィア様、どうしてここに」


「あ。。あの、。その。。ロバート様を宜しくお願いします」

私の人見知りが発動してしまい、私は慌ててロバート様に部屋から飛び出した。





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