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いつかどこかできいた詩

unknown

作曲能力はないので、リズムもテンポもお好みで。


今日もつり革に繋がれてる

空いてる片手で友達に会いにいく

知らない景色の中で みんな笑顔を浮かべていた


メッセージ履歴 下の方

真っ黒アイコン 「unknown」の7文字

大好きだったはずなのに 君が誰だか思い出せないな


「見て見て!」って写真を載せた

「いいねそれ!」ってハート押した

「おめでとう!」ってコメントいれた

離れていても繋がっていたんだ


長話をするにはさ

僕らの時間は限られすぎていて

交わす言葉は減ったけど

幸せな日々を見られればよかった


なのに


unknown unknown

君とは何で繋がっていたっけ

unknown unknown

会話遡っても見当つかないんだ

unknown unknown

君はいつ消えたんだろうな

unknown unknown

お別れはしたかったな



何の予定もない日曜日

ベッドの上で友達に会いに行く

知らない人達の横で、みんな楽しそうに笑ってた


メッセージ履歴 上の方

私の言葉ばっか表示されてる

無音な笑顔だけが返ってきてたんだ


私がいっばい日々を載せても

「いいね!」ってコメント送っても

同じものが返ってくることはなくて

……。


一人ではしゃいでバカみたい

勝手に酸欠でフラフラしてる

心踊ってるのは私だけ

気づきたくなかったな


だから


unknown unknown

欠けた爪を毟るのが辞められないんだ

unknown unknown

こんな不細工な手は見せられないよな

unknown unknown

「不細工」とすら思われないんだろうな

unknown unknown

なんか疲れちゃったなぁ



私はもう「過去の人」になったんだ

それを受け入れたくなかった

皆が皆、「皆」に興味を持ち続けるのはしんどいよ

だってそうじゃん 私もそうじゃん

しょうがないけど

私は例外だと思いたかったな



このまま私もunknownになるんだろうか



今日は珍しく空いていた席の隣窓越しに空を眺める

犬みたいな雲が、夕焼けの上を走ってた


写真を撮って目を瞑る

皆にあの雲はどう見えてる?

問いはアルバムの中に一緒に留めて


撮りためた写真は

次会った時の話のためにとっておこう

きっと上手く会話は続かないから


それまで楽しい日々を、思い出を

お互い過ごしていようね



私も誰かのunknownになってたらいいな


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