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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

祭りに来る他人に迷惑をかける幽鬼(ゆうき)を退治する女の話

 私の名前……というかコードネームって言うのかこういうときは?

 私の仕事の時に使うコードネームは温羅(うら)だ。

 本名は常夏麗花(とこなつれいか)

挿絵(By みてみん)

 私の街には夏のこの時期なると鬼をモチーフにした祭りがある。

 その日だけは歩行者天国になり、屋台がたくさん出ている。

 私がこの祭りに行く理由はこの屋台を巡って楽しむため……というのともう一つ、それはこの祭りにはお盆シーズンになるからなのか幽霊やら本物の鬼やらが人間に紛れて来ている。

 幽霊と鬼をまとめて私は『幽鬼(ゆうき)』と呼んでいる

 まあ本当に楽しんでいる幽鬼もいるけど、人間と同じく迷惑をかける幽鬼もいる。

 私はその迷惑をかける幽鬼を退治するためにこの祭りに私は行く。

 でも行っても迷惑かける幽鬼がいない時はただ楽しめるから……お願い、今日は誰かに迷惑をかける幽鬼が出ませんように!!

 どうやって幽鬼を退治するかというと私には物体を硬質化させる能力がある……だからおもちゃの武器だとしてもコンクリートの家やダイヤモンドでも軽く切れる名刀に出来るのだ!!

 この能力を手に入れてから……料理のときに『硬くて切れない!!』ってならないからほんっとに助かってますよ、硬質化様々ですよ〜

 最近助かったのはビルを切ってくれって依頼があった時だなぁ……って話が逸れてるね。

 去年はお店の商品にいちゃもんつける幽鬼がいてね

 回想

『無料にしろよ……ほら見てみろ腐ってんだろもう食べてんだよ腹壊して死んだらどうなるんだよ!! これだからゴミの作るものなんて、あ〜あどうしようかなぁ? ネットにこのこと書いちゃおうかなぁ、書かれて困るのはお前だよね、ならどうすればいいか分かるよな……さあどうする?』みたいなこと言ってるやつがいたからスパッと切ってやった!!

 幽鬼たちは現世(うつしよ)で肉体が死ぬと常世(とこよ)に帰ることになる。

 まあただ帰るだけだから何回でも現世に戻って来れるけど、現世でしたことは当然常世で見られているから……悪いことをした結果帰ってきた幽鬼は現世で自分のしたことを何百倍以上で返され、それプラスその幽鬼が嫌がることを何年もされる。

 したことによって年数は違う。

 だから一度の現世の行いで常世で何京年も苦しむことだってある。

 さっき切った幽鬼は……大体九十一年ぐらいはやられるだろうね……なんで知ってるかって?

 それは……まあ私も幽鬼だし、やられたことがあるからだよ。

 現世で何をしたかっていうと……結果だけいうと殺人だね。

 殺した人数は十三人

 私はお盆期間に現世に戻って来ていた時にいじめている現場を目撃した

 どうして殺したかというと、その十三人は他人をいじめて楽しんでいた。

 それだけでも怒りが沸々と湧いてくるが、殺したあとに大王様に聞かされて知ったことだが……こいつらは中高の六年だけで二十人以上自殺に追い込んだ。

 私がもっと早く気づいたら…………いじめがあっても会見などでも学校側はいじめは無いの一点張りだった。

 世間から評価を気にするならいじめを隠蔽すればさらに世間からの評価が落ちることくらい簡単に分かるはずなのに。

 私はいじめを隠蔽するより、あったことを話してその後同じことが繰り返されないように対策を立てたり、生徒たちと向き合うようにしないとダメだと思う。

 ……私の考え方が甘いことくらい分かってる。

 本当はいじめが無い方がいい、でもあれだけの人数が同じ教室という名の牢獄に閉じ込められているんだ……当然考え方や思想が合う合わないがあるし合わないやつを排除しようとするやつが出てくる。

 いや気に入らない……それだけでいじめるやつからすればいじめる理由になるのかもしれない……人間以外でもいじめがあることは分かってる。

 だからいじめはゼロには出来ない。

 そして私はこの十三人をあと一歩で死ぬところまで追い詰め、止めはいじめを受けていた少女に任せようと思った……理由は復讐として。

 止めを刺すか聞いてみたけど返事はこうだった『殺したいほど憎んでるけど……殺したら私が捕まる。こいつらのせいで捕まるのはごめんだね。それより私はこいつらがとことん苦しんでもがきながら死んでくれるところをみるほどがいい……だから止めはあなたが刺してください』だった。

「分かった。あなたのお望み通りこいつらをとことん苦しめてから殺すね!!」

 そしてこいつらを殺した後、私は少女に理想論っぽいことを言ってしまった。

「ねえ、私は辛いことから逃げることが悪いことだとは思わないよ、だって逃げることって大事なことじゃん。

 辛い状況にずっと居たって苦しいどころか……死にたくなるし……その時は死ねばこの状況から解放されるって思うけど……あぁ、ええっと私は、私はだからね!!

 だからさ学校に行きたくないなら行かなくてもいいんだよ。だって生きていれば未来で良いことがあるかもしれない……まあ悪いことが絶対と言っていいほどあるだろうけど。

 逃げるって言い方をするから悪く聞こえるのかな?

 まあ私が言いたいのは辛い状況から逃げることは悪いことじゃないってこと!!……辛い状況から逃げた私が言うんだもん信じていいよ!!

 でも人それぞれ考え方や感じ方が違うから……信じたくなかったら信じなくて良いから……ただ頭の片隅にでもいいから覚えておいて、逃げることは悪いことじゃないってこと。それじゃあ私帰らなきゃいけないから帰るね。この後現世(こっち)に来られるか、分からないんだけど、あはは……じゃあねぇ」

 そして私はそそくさと常世に帰った

「ちょっちょっと待ってよ!! ってもういないし……本当にありがとうございます。私あなたが来てくれなかったら……こいつらのこと……殺してました。さっきは捕まるのはごめんだとか言ったけどこいつらを殺せればその後はどうでもいいって思ってました……嘘ついてごめんなさい……ってもういない人に何言ってるんだって話ですよね。……本当に何者なんだろう? やっぱりあの人が殺したこいつらの死体が一瞬で消えてなくなった……よね、見間違えるわけないだってこの目で見たもん。もしあの人が鬼とか悪魔だったとして私は……こな感謝の気持ちを忘れることはないです。聞こえないとしても、もう一度言います。本当にありがとうございます!!」

 私は帰ってさっそく罰を受けると思っていた。

 殺人をしたから……でも大王様に

「普通だったら六垓年(ろくがいねん)の罰を与えるけど……このままあいつらを生かしていても何人も死人が出るからな……特例としてお前には罰の代わりにあいつらみたいに迷惑をかけるやつを懲らしめる『常世執行人(とこよしっこうにん)』になってくれないか? なってくれるのなら他の常世執行人に話をつけるけど、どう?」

 と言われてしまった。

 まあ私は快く答えた

「やります。その常世執行人に!!」

「分かった。なら……おい牛頭と馬頭を呼んでこい!!……この二人にちゃんと仕事内容を聞くんだぞ。分からないことや気になることがあれば絶対に聞くように!! 最近まで牛頭と馬頭の二人がよく『後輩が欲しいです。大王様ぁどうにか出来ませんか? お願いしますよぉ』って言ってきたから……聞けば絶対教えてくれるから安心してくれ」

 そして私は常世執行人になった

 回想終わり

 まあそんなこんなで私は常世執行人として……あぁ常世執行人って言ったって常世だけじゃなく現世のこともパトロールするからな!!

 今見た感じだと迷惑をかけてそうなやつはいなそうだけ…………はあ、普通にいたわ。

「おい、そこの幽鬼!! わざと通行人にぶつかって金むしり取ろうとするな!!」

 はあ、なんで毎年毎年こんなやつばかりなんだ……今年ぐらいゆっくり祭りを楽しませてくれよぉ〜!!


 おしまい

見つけて読んでいただきありがとうございます!!

うらじゃに行った時にストーリーを思いつきましたので書きました

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