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真実の行方  作者: hiraji
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渡辺和則が釈放された時、出迎えた人はいなかった。

中村真実の動画で言及されていた疑惑の人物が児童ポルノの単純所持で逮捕された

というニュースは注目を集め、そこから中村真実失踪事件解明の糸口になるとの期待感があった為

その渡辺和則が釈放されるとなればそれはそれで注目を集めるニュースになると思われた。

検察は釈放された渡辺和則を多くのマスコミが囲み、撮影質問するような事態を避けるために

渡辺和則を釈放する前ではなく釈放した後にそれを発表することにした。

結果としてマスコミは釈放される渡辺和則を待ち構えることができず

渡辺和則は無名の一般人として検察から出て行った。


「みんな、久しぶり」

渡辺和則は釈放された後、自宅のアパートにもよらず勤務してる会社に直行した。


大丈夫でしたか?少し痩せたんじゃないですか?やっぱカツ丼出ました?

お務めご苦労様でした!俺は無罪だって信じてましたよ

釈放されて本当に良かったです。

社内にいた同僚や後輩達は口々に渡辺和則を歓迎したり心配したり労ったりした。


大丈夫じゃなかったよ、取り調べの時は漏らしそうなほど怖かった

留置場の飯は不味くはなかったけど量が足りなかったから確かに痩せたかも

カツ丼食えなかった。ってか昭和の刑事ドラマかよw

お務めじゃねぇ!やってなくても有罪になることはあるけどな。みんな、ありがとう。


渡辺和則は穏やかに微笑みながら同僚や後輩達一人一人に返事を返していった。

「ところで社長は?」

一通り挨拶のやりとりが済んだタイミングで渡辺和則は皆を見回しながら誰に聞くともなく尋ねた。

「おう、ようやく帰って来たか。」

ちょうどのタイミングで奥のドアをがチャリと開けながら社長が顔を出した。

「堺社長、長々と仕事に穴を開けてしまって本当にすみませんでした。」

渡辺和則は社長に対して背筋を伸ばしてから深々と頭を下げて謝罪した。

「堅っ苦しい挨拶は無しでええ、心配すんな、お前の為の仕事はちゃんと取っといてある。」

ニコニコしながら頭を下げたままの渡辺和則の肩を抱いて

「それにちょうど新規の仕事も取れそうやしその件でお前の意見も聞きたいから

ちょっと来てくれるか?」

そう言いながら社長は奥の社長室へと渡辺和則を連れていった。


マジかよ、もう仕事させんの?

仕事の話より先に言うべきことあるだろうに。

ナベさん本当に天使だよな。もう少し我が儘になっても誰も文句言わないだろうに。

なんであんな社長が社長なんだ?


残された社員達は社長のブラックさに呆れ返っていたのだった。

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