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僕とピエロ
球乗りピエロがゆっくり貴方に近づく
「上手になったじゃないか」
彼は仮面の半分を見せながら
ゆっくりナイフを見せる
「なら僕はもう寝てもいいね」
彼はもう半分を見せてから
歩いて貴方と距離を離し
ナイフを投げる
ナイフは貴方が避けた事で
吸い込まれるようにピエロに刺さる
仮面が縦に割れる
「ずいぶん上手になったね」
玉に乗る貴方は頷く
「僕はもう寝るよ」
仮面の半分を見せながら
彼は玉から零れ落ちる
割れた仮面は
二度とくっ付けることはできない