初デート
仕事を終わらせ上機嫌で家へと急ぐ。
車の中での携帯チェックがあたしの日課だ。
ピピピピッ…
メールが着ていることに顔がゆるんでしまう…重症だ。
『仕事お疲れ!終わったら連絡してな!』
『仕事終わりました。何時にしますか?』
プルルルル…
すぐに携帯が鳴る。剛からだ。
『7時半に迎え行く!』
何着てこう?どんな感じが好きかな?一応初めてのデートだから…やっぱりスカートかなぁ?
あんまり気合い入り過ぎだとひかれるかも…なんて悩んだあげく、いつものジーンズに決定。
7時半過ぎに剛がやってきた。
昨日とは違ってサングラスをかけてる。でもすごく似合ってて、じっくり見ることができない。
『女の子とご飯とか久しぶりだから』剛の言葉に敏感に反応してしまう。
『友達にどこか感じのいいとこないか聞きまくったんだけど…あんまりイイトコ知らなくて。でも教えてもらったとこ行っていい?』
ちゃんと考えてくれたことがすごく嬉しかった。
一緒にいれたらどこでもいいよ!って言いたくなったけど、軽い女だと思われたくないから、我慢して平然を装う。
…可愛くない女だ。
最近出来た可愛いオシャレなお店に案内され入る。
向かい合って座ると、どこをみて話したらいいのか…。
男のヒトと話すのは慣れてるはずなのに…。
そわそわしてしまうあたしに剛は会話を続ける。
『やべぇ!昨日の名札まだ入ったままだった』
『あ、あたしもあるよ〜』
ピンクとブルーのハートの名札を見て笑う。
『こんなのとは知らなかったよね〜』
『でもめーこと逢わせてくれたからね。これのおかげやね』
そんなことを言われ言い返す言葉が見つからないあたし。
剛のこと好きなんだ…って、一目惚れってあるのかも…って再確認した。
それからは何を話したのかも緊張で覚えてない。