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100+1の武器〜 Noから〜  作者: 野良
4/6

No3

遥は目を覚ますと、教室とは別の所にいた。


(えっ。待って下さいさっきまでは教室にいたはずです。)


遥は行きなりの事で動揺していたため、生徒に呼ばれていることにさえ気が付かなかった。


「先生。遥先生!」

「はっはい、九条さん何ですか。」


遥は彩加の方を向いた。


「先生。何が起きているか教えてください。」


遥はこの言葉でようやく頭が働き始め辺りを見回した。

周囲は西洋をかんじる石造りで出来た神殿のようなかんじで、広さは体育館の半分ぐらいだと思った。


「いえ、先生にも何が起きているか分かりません。ごめんなさい。」


ここで嘘をつくのは良くないなと思い本当の事を話した。

彩加はその言葉を聞いて少し残念そうな顔をした。


「来た来た来た!」


突然一人の男子生徒が歓喜の声を上げた。

遥はその声を聞いて何かを知っているのかと思い、男子生徒に近づいた。


「春人君。君は何が起きているか知っているのですか。」


遥は少し力のこもった声で尋ねた。


「びっくりした。何だよ遥先生知らないのか、勇者召喚ですよ勇者召喚。ほら周りにいる倒れている魔導師のような人や床にある魔方陣がそんな感じじゃないですか。」

「確かに人が倒れています、助けなくては。」


勇者召喚や魔方陣よりも、人が倒れているという言葉に反応したのは教師だからだろう。

遥は助けようとして立ち上がろうとした時、入り口には大きすぎる扉が開いた。


「おお。本当に成功したぞ。」

「確かに40人近い勇者がいる。これならば…」

「国王陛下に報告を入れろ。」


入って来たのは数人の男性と10人近い騎士をつれた一人の女性だった。

女性が前に出てお辞儀をした。


「「「おお。」」」


誰もが見とれてしまうほどの美しいお辞儀だった。


「勇者様方。ようこそロスト・グラムへ。」


遥はとりあえず、教師として生徒を安心させるためにいろいろな事を聞くべきだと思い、立ち上がり前に出た。


「えっと。こんにちは私の名前は新庄 遥と言います。いくつか聞きたいのですがよろしいですか。」


遥は緊張しながらも生徒のためだと思い声を言葉を発した。


「はい、新庄様ですね。もちろん構いません。どうぞこちらへ。皆様を歓迎する準備は出来ております。話はそちらでしましょう。あっ、それと申し遅れました、私はクリミスチル王国第二王女マリア・ヘルブラムと申します。どうぞ気軽にマリアとお呼びください。」


先ほど歓喜の声を上げていた。春人がマリアに近づいて聞いた。


「1つ聞いていいですか。ここって地球じゃなくて、ロスト・グラムで俺らは勇者って事で合ってますか。」

「はい。その認識であっています。」


よっしゃ~と声を出しながら飛び上がった春人であった。


「それでは皆様こちらへ。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その後遥達は一流と思えるほどの料理を食べながら、遥はこの世界の事や自分達の事について聞いた。


『この世界は地球ではなくロスト・グラムである。』

『この世界には魔法が存在する。』

『遥達は勇者である。』

『クリミスチル王国は現在魔物の襲撃によって王国は困っている。よって魔物の駆除とその原因を突き止めて欲しい。』

『地球に帰る事はできない』


話をまとめるとこんな感じである。

遥としてはやはり一番最後であった。教師として生徒を日本に帰したいと思うのは当然だと思ったからだ。

遥はマリアを問い詰めるように聞いたが、結果として日本に帰ることは出来ないと分かった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その夜

王室にいたのは国王とマリア王女であった。


「勇者が来たことは知っているが、どんな感じだった。」

「そうですね、うまくいけば作戦通りになるでしょう。」

「そうか、ならばいい。この調子で頑張ってくれ。」


王と王女の間で行われた会話はあまり良くないものであった。


「そう言えば、魔方陣は消したのか。」


王がワインを飲みながら聞いた。


「もちろんです。先ほど消えたと騎士団の方から報告がありました。」

「ならばいい。しかし今日はいい月だ。」


満月にワインをかざすとグラスからは皆既月食のように赤く見えた。

皆既月食のように月が赤く見えたりすることをブラッドムーンと呼び不吉な事が起こる前兆と言われている。

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