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オパーイ、っだ!


 女子大生の失言により勝敗は決し。晴れて冤罪の証明が可能となった。彼女を積極的にかばっていた男子大学生風の男。あわよくば、この後、お知り合いになりたいと思っていたようだったが、今や、完全にバツの悪い表情を浮かべている。


「うええええええ、ええええええええっ、ええええええ」


 女子大生(Dカップ)は号泣。ただ、ひたすら号泣しているが、すでに庇う者は誰一人としていない。


 いや、逆に、怒り。


 リーマンたちから放たれているのは圧倒的な憤怒であった。妻と子を養いながら、上司のお小言にも耐えながら、満員電車に揺られ、それでも懸命に働いている彼ら企業戦士たちの視線は果てしなく冷たい。


「泣けば許されるかと思ってんのかよ」「人の一生を台無しにしようとしておいて」「絶対に手慣れてるぞこいつ」「こうやって何回も金をせしめてきたんだろうな」「最悪だな」「死ね」「ゴミが」


 魔女狩りが始まった(真なる意味で)。


「うえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」


 泣いている。泣きくずおれている。なんとかこの場を制そうと必死。とにかく、泣いて、泣いて、泣きくずおれて、この場を逃れようとする魔女女子大生(Dカップ)。


「そいつの携帯取り上げて、住所聞きだして親にも連絡してやろうぜ」


 リーマンの一人がそう言った途端、ビクッと彼女の肩が震えた。


「ええええっ、ご、ごめんなさい……親だけは……親だけは」


「……」


 その心遣いならぬ上目遣いに。計算しつくされ強調され、揺れるおっぱいに。俺の心は揺れ動く。


「なんでもします……なんでもしますからぁ」


「……」


 彼女の憐憫は演技。そんなことは、百も承知だ。


 しかし……そのうえで。


 おっぱいを揉ませてはもらえないだろうか。


 なんでもと言うのは、その文字通りのなんでもということなのだろうか。それとも、なんでもじゃない、なんでもということだろうか。俺は、彼女の真意を探るべく、首を傾げてみる。


「そんな……お願いします。お願いします」


 距離がグイーンと、密着。俺の掌をギュッと握って、その胸にかなり近づける。


 ふむ……


 これは、もう……おっぱいではない……オパーイ、だっ!


 君のおっぱいを揉みたい。そう口に出すと、当然ながら、捕まる(立場逆転)。しかし、もっとソフトな感じで(おっぱいなだけに)。


 君のオパーイがモミタリン。


 おっぱいをソフト語に変換。更に大人気番組モニタリングのような言葉『モミタリン』を駆使することによって、ライトな感じになり、「なんだー、そんなんでいいんですか? こんなんでよければいくらでも触ってくださいよー」モミモミ、とかってなって、ライトノベルな感じでモミモミラッキースケベ的かつコペルニクス的転換が行われないだろうか、いや起こるはずだ(確信)。


「……君のオ――「ふざけるな! そんなことで許されるとでも思ってるのか!」


                ・・・


 誰だお前は―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――!?


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