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10 姉の新しい友だち。

第一次こども大戦は恙無く女衆が勝利した。

一部男衆にトラウマが残ったようだが問題ない。スカート捲りは御法度認定されたのでこれからは静かに過ごせるだろう。


あまり付き合いの無かった子達とも関係が出来、友達が増えた。

大戦勃発時に瞳に闇が降りていた少女達は特に思い入れのある友達となった。基本的に男にマークされる程可愛いので私の周囲の華やかさが凄いことになっている。

勿論世界一可愛くて華やかで素敵で麗しいのは私の姉だが。

そこいら辺は流石にわかっているようで女の子達もエルナーデおねえさまを大事にしてくれている。


「エルちゃん、昨日は美味しい茶葉をありがとう。お母さんも良いブレンドねって喜んでたわ。」


「えへへ、美味しいって言ってくれて嬉しい。今回は私もブレンド手伝ったんだぁ。ママにレイちゃんが美味しかったって言ってたって言っとくね!」


「エルちゃんたちのお母さん素敵よね!お父さんはちょっとこわそうだけど……。」


「パパはコワモテだけど、すっごく優しいんだよ!私もミルもママもパパが大好きなんだ!」


「アハハ、それじゃあコワモテじゃなくってモテモテなんだね!」


「やだメリナちゃんおやじギャグー!」


「さむいよーっ」


キャハハ……という姦しい声が凄いほのぼのする。


レイちゃんは金髪ストレートでエルナーデおねえさまと同じ年のお友だちだ。ママの友達のマルコさんの娘でもある。

エルおねえさまと性別が違えば許嫁にしていたとか。

レイちゃんが男だったらきっと色々な事が解決していたんじゃ無かろうか。口惜しい。


メリナちゃんはおねえさまの2つ上の10歳児だ。

緑の髪と蜂蜜色の瞳でマイナスイオンでも発しているんじゃないかと思うくらいのおっとり癒やし系だ。

しかし私は知っている。

メリナちゃんこそが今回最も闇を抱えた将軍様であった事を。

潔癖・清廉・内向的。

正に異世界の大和撫子とでも言えそうな彼女である。

そう、荒野に咲く一輪の花。大和撫子である。

彼女はその日花を活けていた。

ドロリと澱んだ瞳、坦々と繰り返す作業、何も感じぬと云わんばかりの無口さで花を活けていた。

私は思い切って聞いた。

「なにしてるの?」って。

メリナちゃんは答えた。

「おはなをかざってるの。ひとがしんだらおはなをあげるでしょ?」


絶縁状だった。

活けられていた壺は泣いた。

一部は何かに目覚めたらしいが勝手にやっていてほしい。



兎にも角にも一安心一安心。

10はこども大戦の内容にしようかと書いていましたが、必要ないなと思い削除しました。



ブックマークありがとうございます。吃驚しました。小者ゆえ冷や汗と喜びが一緒に来ます。

面白いと思っていただけたら幸いです。

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