森の魔女
思いつき自分なりの世界観を考えて書きました。
青年が一人森林の中を突き進んでいる。紺色マントを羽織り腰に二本の剣を携えている。
俺は剣術しか取り柄が無い剣士。
そんな俺が森林を突き進む目的は、この森林の奥に住むと言われている魔女に会うことだ。
当てのない旅をしている途中で村へと立ち寄ると、ある問題に差し掛かってしまった。
一人の子供が病気になったらしく医者に診せてもらっているが中々治らないらしい。それが森に住む魔女が魔法を掛けているらしい。
この世界は“魔法”や“魔物”が存在する。魔法とは己に秘めている魔力で自然を操り、人間の身体を自在に変貌させることができる。そんな魔法を使う者を“魔法使い”と呼ばれている。“魔女”とは魔法使いを超える女性で数は限られている。
この世界の人工の3分の1が魔力を持つ人間で、俺は魔力の持たない人間だ。
その時、村人たちは俺が剣士であることに気付いて、
「魔女を退治して下さい」と頼んできた。いきなりそんなことを頼まれても困ってしまう。
剣の腕に自信がある俺でも、魔女退治なんて無理に決まっている。魔法を使う魔女と剣を使う剣士とでは勝負にならない。だから、必死で断った。
せめて、魔女と交渉してくれてと泣き落としまでされて、やむ無く引き受ける。あくまで交渉だけなら。もしも断ると、罪悪感が残る気がするからだ。
村人が言うには、森林の奥にある小さな家に魔女が住んでいるらしい。詳しい道順は聞けなかった。なぜなら、誰も恐れて行かないらしい。さらに言えば、魔女の容姿すら見たことがないらしい。
俺はとりあえず、真っ直ぐに森を突き進むしかなかった。歩いていくうちに茶色家を見つけた。村の家と変わらない普通の家だ。
静かに歩いて家に近づき、開いている戸から中を覗いてみた。
中は一つのテーブルと二つの椅子があって、暖炉がある。散らかっておらず綺麗だ。俺が想像していた魔女の家とは全く違っていた。
「何、人の家を覗いているのかな?」
突然、後ろから声を掛けられたのでびっくりした。後ろにいたのは、夜のような群青色した長い髪を持ち、血のように赤い瞳を持つ女性だった。村娘と同じ平凡な服装を着て、手には草や花を詰めた篭を持っていた。
「ご、ごめん。誰かいないかなと思って、つい……」
すぐに謝る俺は気付いた。“人の家”と言った彼女は…………もしかして…………。
「君は…………魔女?」
「…………面白い問いかけだな」
女性は不適に笑って答えた。
「そうだ、魔女だ」
俺は反射的に腰に携えた二本の愛剣の柄を握った。
「おいおい、答えたのに刃を向けるのか? 物騒な奴だな」
仕方がないだろう、お前は魔女なんだから。ってか、こいつは自分が警戒されている自覚が無いのか?
「私に何か用があって、此処に来たのだろう?」
「そ、それは……」
すぐに用件を言い出そうとしたが、魔女相手になんて言おうか迷うな。
そんな俺を見た魔女はクスッと笑って、こう言った。
「まあ、せっかく来たのだ。中に入れや、お茶を馳走してやる」
ま、招き入れるのか!? 物騒と言った相手に? 俺を馬鹿にしているのか?
「ゆっくりとお茶を飲みながら話を聞こう」
魔女の屈託の無い笑顔を見た俺は緊張感が解れた。柄から手を離して、提案を受け入れることにした。
これが俺と彼女の出会いだった。
まずは書き方はいかがですか?