穴
窓を開けていないのに蜂が室内にいる。
出所を探した所、どうやら天井の裏に巣を作っているらしい。
物置入れの天井裏に続く板を取外し、敵地へと侵入する。
敵地は湿気が溜まり、薄暗くて視界がぼんやりとしていた。
しかし、丸型の提灯のような大きな巣は存在感のあるオーラを出していた。
懐中電灯を片手に一歩足を踏み出し、腰を低く歩み寄る。
薄気味悪い静けさが妙に緊張感を煽りだす。
懐中電灯を置き、枝切りバサミの先っぽで巣を突いてみた。
カサっという音とともに心臓がドキンとしたが、
侵入者は不在のようだ。
気をよくし、立て続けに巣を突き、あっという間に陥落させた。
私は歓喜に足に力が入ってしまい、天井を抜いてしまった。
我が家も一部陥落してしまった。