命乞いと懺悔、どっちの時間が欲しい?
僕の隣に座る日向という子は人を惹きつけるような笑顔をしている。まるで、ひまわりのような子。クラスの中心にいて、僕とは真逆の存在だ。群れることが嫌いで、人付き合いの悪い僕に話しかけてくる唯一の人間それが日向だ。
僕に友達はいらない。みんな表向きだけ、いい顔してるだけ。本当の心の中では罵り合ってるくせに。そんな面倒くさい関係最初からいらない。僕は弱くないから、一人でも平気だし。
そんな僕に話しかけてくる奴がいる。最初は変人だと思って、無視してたけど、ずっと喋りかけてくるから、僕が折れた。
今ではクラスでよく喋る関係になった。以前、なんで僕に喋りかけてくるの。と聞いたことがある。
「んー…寂しそうにみえたから…かな」
「は?寂しい?僕が?そんなわけがない」と反論すると、君は少し笑った。
「じゃあ、私が寂しかったのかもね。凪くんといると、心地いいんだよね」
その時の陽だまりのような笑顔に、僕の心臓はとくり、と跳ねた。
その日以来僕は日向を目で追うようになった。友達と話している時の無邪気な顔、からかうと、頬を膨らませ怒った顔、頭を撫でた時の照れた顔、僕にいたずらする時の悪戯っぽい顔。
全て僕だけのものになればいいのに。僕だけがみることができたらいいのに。日に日に高まっていく欲望を必死に理性で押し殺していた。
放課後、日向は満面の笑みで僕に近づいてきた。いつもはその笑顔を見て胸が高まるのに、その日は何故かざわついた。
「あのね、私!彼氏ができたの! 」と嬉しそうに報告する。
その瞬間頭が真っ白になった。家に帰ってくるまでのことは覚えてない。この時僕の中の何か大切なものが壊れてしまったんだろう。
自分の部屋でボーッと天井を眺めた。ちゃんと、受け答えは出来ていただろうか?という疑問が頭によぎったが、それよりも日向のことでいっぱいになる。彼女はこれから、その彼氏とやらに汚されていく。もう、日向は人のもので、僕のものにはならない。それを考えたら、胸が苦しくなった。
それと同時に怒りもこみ上げてきた。彼氏ができた?ふざけないでくれる?じゃあ僕の気持ちはどうなるの?思わせぶりな態度をとった君が悪いんだよ?僕は日向を攫う計画を立てた。
翌日ら僕は日向を家に呼び出した。
「そういえば、君、あの映画見たいって言ってたよね?DVDがあるんだけど、見に来る? 」
「え!本当!?見たい! 」
「そう、じゃあ、今日の放課後空いてる? 」
「うん!空いてるよ!わー!楽しみ〜! 」と無邪気に笑う君。
放課後、警戒もせずにのこのこと来る日向に笑ってしまいそうになる。
「凪くんお金持ちだったんだね〜。」
「そう? 」
辺りを見回す、日向にソファに座るように促した。
僕は睡眠薬をジュースに入れ、DVDをかけた。映画の中盤日向は眠った。ああ、やっと君は僕のものだ。
笑いをこらえることができない。人生で一番嬉しいかもしれない。僕の家は古い洋館のような家で、地下に部屋がある。僕は彼女を地下に運び鎖で繋いだ。彼女が起きるのが楽しみだ。僕は本を読みながら、起きるのを待った。
深夜を超えたあたりで、彼女が起きた。辺りを見回し、自分に鎖がつけられていることを知り、動揺していた。
そして、僕を見つけて「どうして、どういうこと? 」と問いかけた。
僕は笑いながら、彼女に言った。
「僕、君のことが好きだから、君を僕のものにするためにこうしたんだよ? 」
すると、彼女は怯えたように「おかしい、家に帰して」と叫んだ。
ああ、この表情は初めて見る表情だ。気分が高揚した。もう無理かな。君が僕のものになるまで、逃さない。もう逃げられないんだよ?
「さて、最後に命乞いと懺悔、どっちの時間がほしい? 」
彼女は言ってる意味がわからないと言ったように呆然とぼくをみつめていた。
君は自分の犯した罪を気づいてないんだろうけど。
僕を虜にしたことが君の罪。
どっちにしろもう逃がしてあげない。
よろしければ、感想・批評・アドバイスなどお願いします!
1日1つお題きめったーより、お題拝借!