私の可愛いうさぎちゃん
私はたしか…うさぎを飼っていたはずなんだが…
なぜ幼い子どもがいるのだろう?
うさぎを飼っていたケースの中にある意外と大きめの寝床に一匹ではなく一人の幼い子どもがいた。
突然の事に頭が働かない。確認のため観察してみた。服は黒いモコモコしたコートみたいな物を着ている。
足も似たようなブーツみたいな物をはいている。
顔は幼なく、可愛いほうだろう。
髪は黒くて長いな。
(すーすー)
しかし、しまりのない顔だな。
つついてやろうかな…
あらがえない魅力から逃れられず頬を指でつついた。(ぷす~うみゅ~)
口から空気が抜けていく可愛らしい音がしたあと可愛く鳴いた。
なんとなく頭を撫でてみたら幸せそうに笑顔を浮かべた。
その笑顔を見た瞬間にこの子がなぜここにいるのかさえどうでもよくなった。
そのままなんとなく離れがたくて撫でていると子どもがぱっちりと目を覚ました。
赤い綺麗な瞳だったとだけ言っておこう。
(うみゅ?あっゆう…おはよう。)
…なぜ私の名前を知っているんだ?
(ご飯?)
いやいや…なぜ普通にご飯をねだられているんだ?
(まだ眠いからあとでいい?)
(もう一眠り…)
私の困惑など気にせず寝ると言って私に抱きついてきた。
(うにゅう~ぽかぽかしていいにおいがする♪)
抱きつくことによって未発達とはいえ柔らかいなにかの感触に気付きこの子が少女だということがわかっ
たけど…。
なんかこう…胸の奥から沸き上がる保護欲というか独占欲みたいなものが込み上げてきた。
私はロリコンじゃないんだけどな…。
…とりあえずこの子を起こして事情を聞かないとなにも始まらないなぁ。
『ねぇ、起きて。』
ゆさゆさ
(うにゅ?)
目を少し開けた。
やっぱり綺麗な目だ。
いやいや、今は違うだろ。『起きた?』
(??…ご飯?)
そう呟きながら離れてくれた。
少しだけ名残惜しい。
『いや、違うから…』
(じゃ、遊ぶ?)
『そうでもなくて。』
(?‐?)みたいな顔をされても…
『キミの名前を教えてくれないか?』
(私は夜だけど…?)
…家のうさぎと同じ名前だ。
『夜はどうやって家に入って来たんだ?』
(о°)そんなぽかんとした顔で見られても…
『言い方を変えようか…、夜は何処から入って来て、いつからここにいるんだ?』
(少なくとも私は産まれた時からここにゆうといるけど?)
………?
『私は少なくともキミみたいな女の子とこの家で住んだことがないんだけど…?』
(私を忘れるなんてゆうひどい…んっ?女の子…私が?)
『うん女の子。』
(ゆうは私のことを男の子だってずっと勘違いしてたけど、ようやくわかってくれたんだ♪)
『いやいや、確かに見た目じゃわからないけど胸が…いやなんでもない。』
(胸…?)
そう呟いて夜(?)は自らの胸を揉みしだいた。
(人の手?…私…にんげんになって…る?)
なんか呆然とした様子で呟きはじめた。
『どうしたんだ?』
そう問いかけると、こちらをその可愛らしい顔を向けた。
(わ…私、人間になれたんだ!)
喜びながらまた私に抱きついてきた。
なんか心がホッとする抱き心地だ。
いや、待てよ…いまなんて言った?
人間になれた?
『人間になれたって、どういう事?』
思わずそう聞いた。
(私はウサギの夜だよ。)………ウサギ?
『キミは人間じゃないか、ウサギじゃないだろう。』(だから私は人間になったんだってばー)




