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プロは当然知っている、読まれる小説の書き方講座 〜書きたい人も、書いてる人も〜  作者: 御子柴 流歌
第1章: 正しい小説の書き方(という空想)

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6/8

1-5A: コラムA・書き出し三行・実演篇【現代恋愛10連】


 本エピソードはフィクションではございません。


--------------------


   はい、モニターの前のそこの貴方。

   ええ、そうです。貴方です。


   ぜひチャレンジを。


--------------------



 こんな煽り文句を入れておいてやらないのもアレかと思いまして


 してみむとてするなり。

 3行と言いつつ4行くらいになっているモノもありますが、それはご愛嬌ということで。




     ○



○お題目:現代恋愛(高校生・両片想い系ラブコメ)

<共通出来事(固定)>

・文化祭翌日、朝の教室。

・学級委員の主人公(男子・高2・一人称=俺)、机にラブレターが入っていた。

・差出人はクラスの人気者/本文は未開封。

・宛名は無し。

・(学祭直後で机の並びがぐちゃぐちゃ、つまり“自分宛て”とは思っていない)




     ○





[A-01]

 文化祭の翌朝。俺の机にラブレターが入っていた。

 ――いや、正確にはまだ「俺の机」ではない。片付けも適当で机の並びはぐちゃぐちゃだ。

 よりにもよって、宛名はない。表にしても裏にしても、何も書かれていない。

 そして挙げ句の果てには、差出人は昨日の文化祭で一番目立っていたと言える女子だ。



[A-02]

「おい、机、入れ替わってんぞー」

 俺は朝の教室でひとりぼやく。もちろん現実逃避の一環だ。なんとでも言え。

 宛名はないものの、差出人はもはや学年一番の有名人と言って良い女子になっているどう見ても恋文のような代物が机の中にあったからだ。



[A-03]

 誰もいない朝の教室で、俺はかわいらしい封筒ふとつを机の角で立てる。

 これが机の方に倒れたら開ける。机の下に落ちれば開けない。

 短距離ダッシュをした直後くらいに心臓が跳ねている。



[A-04]

 チョークの粉にスプレーの匂いもまだ残っている、学校祭閉幕翌日のまだ誰もいない朝の教室。

 そんなときに、自分の机の中に、薄い便箋の影があったらどうする?

 さて、“俺宛じゃない前提”から始めてみようか。



[A-05]

 落し物:白封筒/宛名なし/便箋。ほのかに甘い香り。

 拾得者:2年B組 学級委員。

 備考:差出人のみ確認可能――もはや学校一の有名人かもしれない女子。



[A-06]

 手に触れてしまった封筒は机に戻した。

 戻してから、宛名がないことに気づく。

 気づいてから、戻したことを後悔する。


[A-07]

「……なぁんだ、下着は添えられてなかったか」

 そんな現実逃避気味な台詞を、誰も居ない朝の教室で呟いている俺もなかなかの変態かもしれない。

 しかし、誰にも好かれなさそうな変態的思考に至った俺の机の中に、ラブレターのようなモノが入っていたのだから困った話だ。



[A-08]

 勘違いはしない。……はずだ。

 だってそもそも宛名が無い。机も配置だけを元通りにしただけ。

 ただ、やたらとかわいらしいお手紙が自分の位置の机の中に入っていたとしたら、どこまで勘違いをせずに居られるのだろうか。



[A-09]

 ホームルームの前、俺は封筒に教科書を重ねた。

 視線は隠せても、赤面は隠せない。

 ついでに動揺も隠せるはずが無い。



[A-10]

 昨日、この教室を出る前に確認したときには何も入っていなかった、机の中。

 今朝、この教室に入りすぐ確認したときには、かわいらしい封筒が入っている。

 ――さぁ、脳内会議の時間だ。

 これは一体何なんだ。






      ○



 お疲れさまでした。


 もしかするとこのような千本ノックを耐え抜いたモノが短篇や長篇となって世に出ている――のかもしれませんね。






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