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プロは当然知っている、読まれる小説の書き方講座 〜書きたい人も、書いてる人も〜  作者: 御子柴 流歌
第1章: 正しい小説の書き方(という空想)

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2/8

1-1: 『バズる小説の書き方』

※このエピソードはフィクションです。実在の人物・書籍・サイト等とは無関係です。





『バズる小説の書き方』

※作者アカウント:月見里ミサキ(@misaki_yamanashi)




 ようこそ、私の『小説の書き方講座』へ。


 こんにちは、月見里ミサキです。

 今回のテーマはタイトルの通り、その中でも「バズる小説の書き方」です。

 恐らくみなさんが一番知りたい部分ではないかと思っております。


 まず最初に断っておきますが、この講座は、初心者向けの小手先テクニックを伝授するものではありません。

 何らかのタグ検索を行ってみて見つけたような投稿などでもよくあると思います。

 喩えば「プロットの作り方五選」とか、あるいは「キャラを立てる三つのコツ」とか。


 たしかにそういうことも大事だと思います。そういうモノはあるに越したことはありません。 


 ですが、今はそういう細かいことは、正直()()()()()()のです。


 だって、このページを見に来たあなたが本当に知りたいのは「どうすればバズるのか」でしょう?

 そういう手っ取り早い方法論を知りたいために来た人にとって、プロット作りなんてことは極力したくもないはずです。


 バズれば良い。自己顕示欲をネット小説界隈で満たしつつ、あわよくば文芸の中に居る方々に届いてさらに自己顕示欲を満たせれば万々歳。それで良いのです。四の五の言っている暇はありません。


 そう、ランキングに入ること。PVが伸びること。ブクマが増えて、感想欄がにぎわい、SNSで引用されること。それこそが、創作者にとって最大のご褒美なのですから。


 そして、私はその味を知っています。

 ええ、私の作品は実際にランキング入りを果たしました。

 ――たった数日?

 そうですね、数日でした。


 大したことないと鼻で笑う人もいるかもしれませんが、どうぞ笑いたければご自由に笑っていただければイイと思います。それは誰にも侵害されることがない、あなた方が持ち得た権利だ。


 しかし、逆に問います。


 ――あなたはもうランキング入りしたことがあるのですか?


 恐らくは、無いことでしょう。私はそう断言できる。

 なぜならば、その経験が無いからこそ、このページを読みに来ているのです。

 ならば少なくとも、私の話に目と耳を傾ける価値はあるはずです。



---



1. タイトルは長く説明的に、内容が分かるまで


 まず最初に言っておきたいこと。

 バズるためには、『タイトルが命』です。


 よく「シンプルな方が格好いい」とか言う人がいますが、それは完全に間違いです。

 ランキングを見てください。『俺が捨てたスライムが実は世界最強で~~~?(うんぬんかんぬん)』とか「異世界でJKが聖女になったけど俺だけ知ってる秘密があって~~~~(なんたらかんたら)」とか、長い説明的なタイトルばかりですよね?

 つまり、そういうことなんです。


 小説サイトで作品検索をかけたときに、わざわざそのタイミングで中身なんて開きません。タイトルやそこにちょっとだけ見える文字要素だけで、その小説が読まれるか読まれないかが決定づけられます。

 自作品のPVの伸びが悪いなぁというそこのあなた。無駄にかっこつけていませんか? スタイリッシュなタイトルによる自己満足は今すぐ辞めましょう。


 あなたのような素人作品など、わざわざ中身を確かめようなんて思われません。タイトルとキャッチコピーやあらすじでトータル100%です。人は見た目が9割かもしれませんが、ネット小説は本文以外が10割です。本文はそのおまけです。


 PVがカウントされる瞬間とは、ページが開かれたときです。その時に本文より見えているモノはなんですか? ――言うまでもなくタイトルです。


 実際、私のランキング入り作品もタイトルが功を奏しました。『追放されたけど実は隠しスキル持ちで、田舎でスローライフしようと思ったらなぜか美女とドラゴンに囲まれてしまった件』。

 これを見ただけで、読者は「なるほど、追放系でスローライフでハーレムね」と内容を理解してくれる。理解は即クリックにつながります。

 ――「長すぎるとダサい」? 

 そこまで生理的に受け付けないのならば、バズってから短くすればいいんです。順番を間違えてはいけません。



---


2. 主人公は平凡でなければならないが、速やかに非凡へ移行すべし


 次に重要なのは主人公像です。


 小説を書き慣れていない人ほど「斬新な主人公」を作りたがります。たとえば「老騎士が主人公」とか「猫が主人公」とか。スライムなどのザコキャラや剣といった無機物への転生というのが大いに好評を博していることから、そういうニンゲンらしい造形ではないモノへの転生というパターンもあります。


 ですが、そういうのは結局今更読者に刺さらない。――じゃあ、既存作でイイじゃんとなる可能性を否定できないからです。


 ランキングで勝負するなら、やはり「極めて平凡かそれよりやや劣る一般男性」か「地味な冒険者」がベスト。

 その理由はとてもシンプルで、読者が自己投影しやすく、感情移入もしやすいからです。


 私の作品の主人公ももちろん、ごく普通の青年でした。どこにでもいる、ごく普通の。勉強も運動も人並み。恋人はいない。()()()隠された力があって……。


 この『だけど』の後が肝心なんです。『だけど』の付加要素さえあれば、どんな平凡も一気に非凡に変わる。これぞ王道でありつつも独自性を持たせるということに繋がるわけです。

 最初から独自性を追求することももちろん悪いことではないのですが、あまりにも突飛な主人公像を掲げてみたところで、その設定を持て余して結局バズりもせずネットの海の奥底に沈んでいく羽目になりかねません。ある程度操縦しきれる設定の方が、主人公も生き生きとしますし、何より作者の筆の進みも良くなるはずです。

 だからこそ、自己投影のしやすさは重要です。


 私の主人公も、現代的なごく普通の青年でした。勉強も運動も人並み、恋人はいない。ここまでのデータに嫉妬されるような特筆すべき要素は表面的には無い??だけど、隠された力があった。たったそれだけで、読者は続きを読む理由を得ます。

 なぜならば、読み手は自己投影をするからです。


---



3. 更新頻度は可能な限り多く


 最後に、更新ペースについて。


 これはもう、毎日更新に勝るものはありません。


 よく「無理せず続けることが大事」とか言いますけど、そんな甘えは通用しません。

 いい言葉ですが、ランキングの命は短いのです。


 バズりたいなら、とにかく更新することです。衆目に晒されるためには常に人前に立つべきであり、そうする以外の方法などありません。新着作品欄に常時居続けること。これが最大にして最良の方法です。

 こればかりは寄り道も近道もありません。王道を進み続けるべきです。


 たしかにそういうすることは大変かもしれませんが、絶対に無理な方法でもありません。間違いなく、そこのあなたを含めた、誰もが採ることのできる方法です。

 なにせ、1ヶ月分にあたる文章量を確保していれば良いだけです。あるいは次回以降ある程度の期間内で公開出来る文章量を用意し続ければ良いだけなのです。


 私は実際、一ヶ月間毎日更新を続けたことで、ランキングに入りました。つまり、証明済みの方法論です。

 もちろん「質より量」とは言いません。ですが、量をこなすことでしか上がらない質というのもあります。人に見られることで万物は美しくなるのです。


 理想は毎日。無理なら隔日。最低でも読者が忘れる前に。

 忘却は最大のアンチ。

 あなたが今日書かなければ、明日のランキングにあなたの名前は絶対に載りませんよ?



---



Q&A


Q1. 先生の作品はなぜランキング入りできたのですか?

A. タイトル、主人公設定、更新頻度。今説明した三本柱を守ったからです。特別な才能は必要ありません。必要なのはやるべきことをやる勇気と実行力だけです。


Q2. タイトルが長いと馬鹿にされませんか?

A. バズってから馬鹿にされるのは名誉です。バズる前に賢ぶるのは自殺行為。まず読まれ、嫌われ、議論されること。沈黙より百万倍まし。


Q3. 才能がない人間はバズれないのでは?

A. そんなことはありません。私がそうです。特別な才能はなかったけれど、工夫と努力でバズりました。つまり、やる気さえあれば誰でも可能です。

 ――と、私はいつも答えています。

 ただ、冷静に振り返ると、私にはわずかな才覚があったのかもしれません。タイトルの勘というか、地頭というか、ほら、ありますよね、そういうの。

 ですが誤解しないでください、『才能=継続力』と私は定義しています。つまり、矛盾はしていません。うん、していません。


Q4. 感想欄で批判されたらどうすれば?

A. 無視しましょう。ランキングに入れば必ず批判は来ます。むしろ批判が来てこそ成功です。私も実際、たくさんの批判を浴びました。つまり、それだけ読まれていたということです。


Q5. 先生の最新作は?

A. 最新作ももちろん執筆中です。まだランキング入りはしていませんが、手応えはあります。すぐに伸びるでしょう。





---




「んー……?」

一応文末まで読んでみた。

 言っていることは尤もらしいが逐一鼻につく部分があった。

 だから――という訳ではないが、どうしても気になって月見里ミサキの作者ページを開いてみた。


 最新作。

 燦然と輝いているはずのブックマーク数は「8」。

 評価ポイントも伸びていない。感想欄も空白。

 そして、最終更新は1週間前だった。


 毎日更新が命って書いてた人は、どこの誰だったか。

 大言壮語とはこのことか。


「……何だコイツ、偉そうに」


 そうつぶやいて、俺は評価なども一切付けずにブラウザのタブを閉じた。



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