教師採用試験
教師の採用試験だ……この時期にやるかねぇ、と思うが、定期テストでの不祥事もあったので仕方ないとも言える。
新任教師の採用担当は私だ。要するに、私が認めれば採用される。まぁ、一番強いのが私なので仕方がない。
「えっと……カイトさんで良いのかな? 扱う魔術は?」
「はい、パントマイムです!!」
「え??」
「見た方が早いですし、この後の戦闘試験の前に手の内は晒しませんよ」
レオンは納得した。
――戦闘試験開始。
レオンは速攻で詰め寄り蹴りを入れるが、壁を作る動作で止められ、見えない壁をぶち破ろうと本気で殴りかかれば、剣を振る動作と噛み合い、腕が切れた。
「凄いな……どうやったんだ?」
「まぁ……固有魔法のパントマイムですよ」
「あー、そういうの良いから。結界を高速で構築している。持続時間に制限をかけ、構築スピードをさらに加速しているね」
「見破られたかぁ……結構謎めいた事に定評があるんだけどなぁ。試験的にはどういう印象ですか?」
「火力不足……かなぁ」
「残念、ならこれは?」
今度は結界構築に数秒時間をかけた。完成する前に叩こうとしたら、壁に阻まれ蹴り飛ばされた。
「結界内限定で自身の身体能力を上げる……か。火力不足は多少補えてはいるな」
そう考えている間に、カイトはさらに重ねて結界を張り終えた。
「今度は何かな?」
カイトはその場で持っていたナイフを振り回し、蹴りを放った。
当たるわけがない……だが、肌は切れ、回し蹴りも何故か当たり、吹き飛ばされた。
「結界内の衝撃を転移させる……か。もう良いよ、合格で」
カイトは喜び、調子づく。
「レオンさんにも勝てるんじゃないですかね!? 続けてたら!?」
レオンは無言でケルベロスの魔法を放ち、ピアスを割り、血の斬撃をカイトの周囲に浴びせた。
「あ、すまない……安い挑発に乗るなんて、まだまだだね、私も」
「いえ……すみませんでした」
カイトは、レオンには逆らわないよう心に決めた。




