人攫い対ライカ
生徒二人が接近していた。
魔法使いが掴みかかろうとしたその瞬間、風の斬撃が走り、捕獲に失敗した。
「君たち! そのまま逃げて!」
生徒は頷き、森の奥へ逃げる。
「何の用ですか?」
ライカが二人に問いかける。
「あー、トーナメント試合、面白かったよ。注目を集めた生徒を捕まえて売れば一儲け。レイナとアレンが捕まれば最高だったんだけどね。」
「刑務所に送りますよ?」
「二人相手?」
笑いながら魔法使いは言う。
「嘘…二人じゃないでしょ?」
ライカは強化された五感で嘘を見抜いた。
瞬間、体をひねる。
後ろの木に小さな穴が空いた。
「3人ですかね?」
「さぁ?」
(反応からして三人で正解のようだ。
見えなかった。風を切る音だけで避けた――魔力の弾丸。
物に付着して安定する魔力だけでこの威力。固有魔法なのは明らかだ)
一人が接近し、頭を掴もうとする――避けた!!
避けた瞬間、掌から爆発。
ライカも余波でダメージを受ける。
(一般魔法でも可能な芸当だ。しかし問題はそこではない。
指向性を無視した爆発なのに、本人は無傷……この体質が固有魔法)
二人目が水のタンクから水を操作し、ライカに向けて放つ。
ライカは風を纏わせたバタフライナイフで受け、水を飛散させた。
「あっっっつい!!」
(100度ではない、明らかにそれ以上。枯れ葉が燃えている…水なのに! 400度程度か)
ライカは二人に接近しようとするが足を止めた。
止まらなければ、魔力の弾丸が身体を貫通していた。
「三人相手に無茶でしょ? あんたが商品でも良いよ、その顔なら売れそうだ」
「旦那さんがいるのでお断りですね。居なくても断りますが」
「あーそう!」
刹那、二人が遅いかかる。
一人目は再び掴もうとするが、ライカは掌の魔法陣を風で掻き消し、タクティカルペンで内臓を損傷させる。
二人目が水を操作するのを見て、水に向かって魔法使いを投げ飛ばし、こちらへの攻撃を中断させる。
追撃を入れようと走り、弾丸も躱すが、水を操る魔法使いが水を水蒸気爆発させる。
ライカは後ろに下がるが、周囲は霧に包まれた。
水を操作して霧を作ったのだろう。
逃げる音が聞こえるが、ライカは追跡を断念した――
三人中二人が無傷の状態で、逃げに徹されては捕まえられないと判断したのだ。




