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魔導歴史書  作者: ルイ
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アレンの暴走

森の中。

アレンとレイナは、魔物を狩りながら袋に心臓を詰めていた。


「なぁ…二人だし、普通に効率悪くないか?」

「うーん。この試験は二人のことも考慮されるから心配ないんじゃない?

 昨日優勝したし、そこまで低い点数にはならないでしょ。」


アレンの見立ては半分正解だが、この試験では途中リタイアが想定内のため、三時間粘れている時点で高得点は確実だ。


――その時。空間に小さな穴が空き、瞬時に閉じた。


得体の知れない存在。魔族だ。

単独で魔界からここまで来るには、雑魚を生贄にして空間を開いたに違いない。

つまり――雑魚を軽く凌駕する実力を持つということ。


レイナは直感で逃げ出す。

危険は明白だ。アレンも当然逃げるはず……と後ろを振り返ると、アレンは飴玉を口に咥え、臨戦態勢を整えていた。


彼が暴走状態でもレイナを標的にしないのは理性があるからではない。

目の前の敵の強さを認識し、他を眼中に入れていないだけだった。


轟音と共に戦闘が始まる。


戦いはわずか30秒で一段落。

加速魔法でレオンが到着。魔族が死んだ際の粒子を確認し、状況を把握する。

指輪は二つとも嵌められており、アレンが飴玉を口にしていたのも納得だった。


しかし――ここからの9分30秒、レオンはアレンの相手をしつつ、後方のレイナを守らねばならない。


刹那魔法が飛ぶ。

ケルベロスの魔法でいつも通り相殺しようとするが、雷魔法が貫通。

加速魔法でレイナと共に回避する。


二撃目を想定し、避けた際にピアスを割り、魔王の血で雷魔法をぶつけ飛散させる。

魔族ならそのまま切り刻むが、生徒相手では出来ない――耐えるしかない。


レオンは血の斬撃を防御に使い、近接戦に持ち込む。

飛び交う炎や雷の魔法はケルベロスの魔法で軌道をずらし、レイナと自分に当たらないよう制御する。


3分経過。残り6分30秒。限界に近い。


しかしレオンは勝利を確信していた。

雷魔法がレイナに迫るが、不思議と彼女の魔法が発動しない――おかしい。

瞬間、目の前に現れ彼女を救ったのは……お父さんではなく、魔王の本体だった。ただ、レイナは魔法で何故だがそれをお父さんだと認識する。


腕に魔法が貫通し千切れても血で結合し瞬時に回復。

二撃目も、出血した血を凝縮し雷魔法にぶつけ飛散させる。


その後の戦いは壮絶を極めた。

魔王は攻撃を防御に使い続けるが、同時にアレンを死なせないよう調整していた。

手足や首が千切れ、心臓を貫かれても平然としている――

頭に穴が空いても、魔王城のケルベロスと魂を共有して即座に操作、攻撃を続行。

心臓と頭を潰されても、即再生し攻撃可能。

――これが、魔王の恐怖だ。


アレンの理性が戻ったのを確認した魔王は、静かに魔王城へと帰還したのであった。

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