魔物の森サバイバル
翌朝。
アレンとレイナは、昨日の疲れもなく万全の状態で試験会場に立っていた。
今回の課題は――「魔物の心臓をより多く集めたチームが勝利」。
説明を聞いた瞬間、レイナが顔をしかめた。
「心臓なんて……気持ち悪いから嫌!」
レオンは苦笑しながらも、静かに言い聞かせる。
「仕方ないだろう。
角や尻尾じゃ“殺した証拠”にならない。
心臓だけが確実に“討伐した証”になるんだ。死体だと重いだろう。」
「……むぅ。」
渋々納得しながら、レイナはアレンに丸投げする。
「アレン!! 心臓取るの、任せた!」
「えぇ〜……」
「いいでしょ! ほら、行くよ!」
アレンがため息をついたその時、レイナがピタリと足を止めた。
「……お父さん。試験、中止した方がいい。」
レオンが怪訝そうに眉を上げる。
「なんでだ?」
「嫌な気配がする。しかも、かなり大きいのが二つ。」
「二つか……もし同時に来たら厄介だな。」
すると背後から、落ち着いた女性の声が響く。
「私をお忘れですか?」
振り向くと、そこにはライカがいた。
穏やかな笑みの奥に、鋭い光を宿した瞳。
「二つあるなら、二人で対処すればいいだけです。」
「……分かった。気を付けてね。」
レイナの言葉に、二人は小さく頷く。
「お父さん、お母さん。」
そう言い残し、レイナとアレンは深い森の中へと消えていった。
木々のざわめきの奥に、低く重たい咆哮が響いた。
――試験の幕が上がる。




