チーム対抗トーナメント
レイナとアレンは、控室で胸の鼓動を押さえきれずにいた。
――これが本番。長い訓練の成果を見せる時だ。
そこへ、レオンが静かに現れる。
「お父さん!! 大丈夫かな……け、けど作戦完璧だし、きっと大丈夫だよね!」
「……あー、そのことなんだが。」
レオンは腕を組み、少しだけ間を置いて言った。
「アレン、このテストは“指輪を外すの無し”な。」
「えっ!? 無理だよ、それじゃ勝てない! だって、相手は五人でこっちは二人だよ!」
「……制御が心配ってことですか?」とアレンが尋ねる。
「訓練の時は制御できてたし、大丈夫だと思うぞ。」
「じゃあ、なんで!」
「アレンの力がなくても勝てるって意味だ。それに――まぁいい。」
(あの力の恐怖を、これ以上生徒たちに植え付けたくはない……)
レオンはそう思いながらも、表情には出さなかった。
「やってみれば分かる。1回戦で納得できなきゃ、また俺に抗議すればいい。」
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試合開始。相手チームは五人。
アレンとレイナはわずか二人――だが、迷いはなかった。
開戦の合図と同時に、アレンが右側の敵へ猛攻を仕掛ける。
三秒。防御魔法が砕け、相手は戦闘不能。
次の一人が反撃に出るが、レイナが前に出て受け止め、アレンがその隙にトドメを刺す。
一瞬で人数差が縮む。焦りを見せた残り三人は連携を取り始めるが、
二人の動きはすでにそれを上回っていた。
互いの癖を知り尽くしたコンビネーション。
仕掛けるでも守るでもなく、呼吸だけで意思を伝え合う。
混乱した敵の連携が崩れ、同士討ちまで発生する。
――決着まで、わずか一分。
訓練で培われた連携の完成度。
そして何より、“力に頼らずとも強い”という自信。
危ない場面も少なくはなかったが、
アレンとレイナはついに、固有魔法を使わずに優勝を掴んだ。
観客席から見守るレオンは、静かに頷いた。
(……やはり、お前はあの力だけの子じゃないな。)




