定期テスト説明
「一ヶ月後、定期テストがある。」
レオンのその一言に、教室全体が一気にどんよりとした空気に包まれた。
しかし、すぐに続いた言葉がそれを吹き飛ばす。
「勉強じゃないぞ。学力は小テストで見てるしな。」
――パァッ。
教室が一瞬で明るくなる。
「分かりやすい奴らめ」と、レオンは苦笑を浮かべた。
「さて、実技テストの説明をする。1年生全体で93名。
チームは最大5名で組んでもらう。他クラスとの混合は禁止だ。」
生徒たちがざわめき出す中、レオンは黒板に二つの課題名を書いた。
> ・チーム対抗トーナメント(対人戦)
・魔物の森サバイバル(4時間)
「評価はチーム単位と個人単位、両方だ。
順位はもちろん、チームでの勝利が個人評価にもプラスに働く。
つまり“チームを活かせる者”が高得点を取る。」
そう言って、レオンはチーム記入用紙を配りながら続けた。
「チームが決まったらこの紙に名前を書いて提出。以上、解散。」
教室内が一気に騒がしくなる。
仲の良い者同士で集まる者、強い生徒を狙って近づく者――。
その中で、最も注目を集めているのはレイナだった。
母親譲りの感覚派で直ぐにコツを掴み、魔法の第六感によりどう動けば良いかをよく分かっている。
彼女を中心にチームを作ろうとする生徒が次々と近づいていった。
しかし、レイナが最初に声をかけたのは隣の席の――アレン。
「はい、1人目確保! ボッチ回避成功っと! 他も探すね!」
「え、あの……まだ組むとは……」
「ダメ?」
「……いや、別に。」
「よし決まり! さて、他のメンバーどうしよっかな〜。
友達いないんだよなぁ〜。」
レイナが教室を見渡すと、さっきまで自分の周りにいた生徒たちが
まるで潮が引くように離れていくのが見えた。
「……あれ? さっきまで結構いたよね?」
「多分、僕とチームにならない方が……」
「文句あんの?」
「……ないです。」
少し時間が経ち、レオンが声をかけた。
「レイナ、アレン。みんな提出終わったぞ。」
「お父さんマジ!?」
「うーん……二人チームは厳しいけど、頑張ってな。」
レオンは苦笑を浮かべながらも内心で考えていた。
(3人チームもいるから無理やり組ませることもできた。
でも、レイナと組みたがってた連中は“アレンと一緒”だと知って
一斉に離れていった。下手に押すと逆効果だな……。)
レイナとアレンは顔を見合わせ、少しだけ不安そうな表情を浮かべた。




