放課後補習
「アレン君、来たね。君は魔法を使えなくても強くなりたくて来たのかな?」
「そんなところです。」
「まぁ――それも立派だが、宝の持ち腐れってやつだ。制御の方法は考えるが、まずは全力を見せてもらおう。」
レオンは言い、今から指輪を外すと言った。
「この訓練場は丈夫な素材でできていて、防御魔法も厳重に張ってある。私の魔法が直撃しても――壊れるか、壊れたら謝る。指輪、外していい?」
アレンは躊躇いながら訊いた。
「先生、怪我……死んだりしませんか?」
「へぇ、面白いことを言うね。全力を私から引き出せるかも微妙だけどね?」
「わかりました、外します。」
アレンは指輪を外し、レオンはそれをポケットにしまった。
その瞬間、周囲に殺意が走り、近距離から雷が炸裂した。
ケルベロスの雷で相殺されたが、相殺されたとはいえ――アレンに当たらない様にしたから出力は全開だった。それなのに相殺…
レオンはアレンを蹴り飛ばした。今回は手加減したつもりだったが、肋骨が一本折れるほどの衝撃が走った。
アレンは怒りを炎に変えて反撃する。直撃したのを見ると、激しい衝動から来る快楽のよる感情から肉体が即座に回復し、再び立ち上がった。
「へぇ……回復も兼ねるのか」
隣から声がした。
「さっき当たったのは私の上着だよ。防御魔法をかけてたのをぶつけて後ろに逃げただけ。――それにしても、当たった物を包み込んで消し炭にするまで消えないとは。給料で買い直さなきゃね……」
レオンは淡々と呟く。
アレンは格上を見て闘争心を燃やし、その高揚が強力な身体強化魔術となって顕現していく。
「今度は組手か。攻撃が重いね、おっと!」
アレンは高揚感から魔法の出力をさらに高めた。
レオンは興味深げに観察する。
「なるほど……ますます面白い。大体わかったよ。」
その瞬間、レオンはアレンのパンチを掴み、飛び上がって首に足を絡め、強く締め上げた。
――殺意が湧く。こいつを殺したい、という衝動が周囲に滲む。
アレンは空中で雷を凝縮してレオンの頭部に放とうとしたが、レオンは首を曲げてかわす。
「へぇ……そんなこともできるんだね。感情を高ぶらせて凝縮させたか。油断したね、手が開いてるよ?」
レオンは素早く動き、アレンの薬指に指輪をはめ直した。
するとアレンの顔つきが一瞬で静かになった。
「先生?」
――静寂が落ちる。




