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魔導歴史書  作者: ルイ
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カジノ

私とライカは隣国に向かっている。

普通なら一ヶ月かかる道も、1日で辿り着く方法はある――ただし魔物が大勢潜む森を抜けられたらの話だ。


現在、私たちは単独で魔物討伐を行っている。

まぁ、あの国での勝負前の下準備だ。

私はライカをいつでも助けられる範囲内で自分に縛りを課しつつも、隣の国で魔物の素材を換金すると、ライカとの差は倍に広がった。しかし勝負はまだ途中だ。


この国に来た理由は、カジノが開設されたと耳にしたからだ。

以前、魔族を一方的に倒したことでライカのトラウマは少しずつ薄れていた。それに、カジノではイカサマ対策で警備の目が厳重であり、魔族は好まない。――その辺も安心材料だ。


適当にカジノを散策していると、特殊なスロットが目に入った。

21種の別々の絵柄、回転速度は通常の3倍。説明を見ると、ボタンを押せば滑らず止まり、揃えばかなりの枚数が手に入る……逆に言えばアシストはなく、完全に運ゲーだ。


私が座ると、隣にライカも座った。

こいつ分かってるのかと思いつつ、私は魔王城の魔王と視覚共有する。

人間の視力では追えない速度だが、魔王は獣人で加速魔法も使えるため、動体視力はかなり高い。


私は絵柄を淡々と揃える。

横目でライカを見ると、普通に揃えている。

あぁ、そう言えばこいつの魔法は五感の超強化だったな――動体視力も強化されるのか、と納得しながら二人は続ける。


資産が倍になったところでスタッフに声をかけられ、ボディーチェックを受けた。

何事もなかったが、あのスロットはもう辞めておこう。出禁になったら文句は言えない。


カジノを回っていると、ライカが立ち止まり観察している。

彼女が見ていたのは、テキサスホールデムポーカーだ。

ライカは何かを掴み、私に提案する。


「レオンさん!普通に個別でやるのだと勝負が付きにくいですし、あれやりましょう!!」


私は、まぁ良いかと了承した。

勝負とは、魔物討伐とカジノで稼ぎ、最後により多く資産を持っていた方が勝ち。負けた方は何でも言うことを聞く――という内容だ。


テーブルに座ると、私とライカを含めて8人での勝負。

――これ、2人とも所持金ゼロもありうるぞ、と少し心配する。


結果、私の所持金はゼロになった。

こいつ天性のギャンブラーじゃないか、とライカを見ながら思う。

そう言えば、ライカは音と匂いだけで魔族を見破ったことがある――心音と汗の匂いで、相手の手札の強さを推測できるのか。


ライカの金で、カジノに併設された高級ホテルに泊まることになった。

屈辱的だな、と思う魔王であった。

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