対魔族専用武器
魔王本体は魔術師のもとを訪れた。
部屋に入ると、散らかった机の上に積み重なった書類と器具が目に入る。
魔王は問いかける。
「進捗はどうだ?」
魔術師は顔も上げずに答えた。
「女の子といちゃついて仕事を押し付けるような獣人フェチに教えることなんてないわ」
魔王は小さく首を傾げ、呆れ半分の表情を浮かべる。
だが机の上の混沌を見て、「それなりに苦労してるんだな」とも思う。
そして、ふと目に留まった一本のナイフを手に取った。
「……これは?」
魔術師はため息をついて説明する。
「それが対魔族特化用の新武器、ワスプインジェクターナイフ。
刺してボタンを押せば、高圧ガスが対象の体内に噴出される仕組みよ。
中身はあなたがくれた魔法で作った“魔力分解毒ガス”。
魔族が喰らえば、体の大部分が粒子になって消滅するわ」
魔王は短くうなずく。
「なるほど。刺せればの話ではあるが、殺傷力としては理にかなっているな」
魔術師はニヤリと笑って言った。
「これから2人で作った魔術学院の優秀な生徒たちに訓練を叩き込むつもり。
あとは各地の魔法使いを集めて討伐隊を組めば、計画は完成よ」
魔王はその言葉に満足げに頷くと、静かに立ち上がった。
「……任せた」
そして、再び魔王城へと帰っていった。




