魔王復活
私はその後眠りについた――いや、眠りながらも意識は魔王城の肉体へと向けられていた。
心臓部にある〈血の魔石〉が溶け出し、脳へと流れ込む。
赤黒い衝動が全身を巡り、生体機能が蘇る。保存液から這い出すやいなや、自らの毛皮に防御魔法を重ねる。前回の反省を踏まえた強化だ。
「……無駄だと分かっている。それでも――」
全力の加速魔法を解放する。
人間では絶対に到達できない速度。久々の感覚に、わずかな昂ぶりが胸を満たす。
そして、魔族の根城へ到着。
そこに人間の姿は無く、幸い魔族ばかりだった。
周囲に常時展開する攻撃魔法が、次々と魔族を斬り刻む。
倒れぬ者は加速魔法で突進し、急所を貫く。受けた攻撃で血を流せば、その血を操って斬撃に変える。さらにケルベロスの魔法を重ね――私は一方的に殺戮を続けた。
その時、王が現れた。
「……魔族の王か」
強い。圧倒的な力。
攻撃魔法を集中させる刹那、心臓を貫かれた。だがカウンターの膝蹴りで吹き飛ばす。
血を操って心臓の代替循環を無理やり回し、回復魔法で再生する。
先ほどの膝蹴りでマーキングした、再び加速魔法で急所を狙う――だが、体を捻られて外す。次の瞬間、首を切断された。
しかし私は血で首を繋ぎ止め、回復魔法で修復。
続いて頭を砕かれかけた。だが加速魔法で間合いを引き、ケルベロスの魔法で反撃。
互角。力は拮抗している。
加速で突進した瞬間、今度は腕が千切れた。
しかしそれはフェイク…私は即座に血で腕を繋ぎ止めて回復しながら直進する。狙うはただ一つ――城の奥、ゲート。
壁を突き破り、ケルベロスの魔法を叩き込む。
だが背後から心臓を貫かれ、胴体に複数の穴が穿たれる。
それでも撃ち続ける。頭を潰されても、魔王城の肉体に宿る魂で操り、後ろ蹴りで吹き飛ばす。
やがて――ゲートは閉じた。
結界術で固定していたが、壊されれば閉じる。
全身に限界を感じながらも、私は頭部を回復し、最後の加速魔法で逃走。
そして、魔王城へ帰還した。




