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その後
警察を辞めたのは、その日の出来事が決定打だった。
事情聴取も途中で上層部に引き継がれ、気づけば“魔族の仕業”として処理されていた。真実は半ば揉み消され、世間的には「殺人犯は逃走」とだけ残った。
私が力を使った場面を見たのはライカと警官の二人だけ。他の者は直接見ていない。おそらく彼らの証言も、大袈裟に伝わった程度と受け止められているのだろう。
――結局、私は実力を元々認められている、その範疇の存在としか思われなかった。
家に帰ると、ライカが待っていた。
そして、その隣に魔術師もいた。
「どうするつもり?」と、魔術師は静かに問う。
「魔物でも狩って…しばらくは食いつなぐかな」私は投げやりに答える。
「そういうことを聞いてるんじゃないんだよ」魔術師はため息交じりに呟いた。
ライカは黙ったまま、落ち着かない様子で尻尾を揺らしている。
……実際、どうしようもないのだ。




