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魔導歴史書  作者: ルイ
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魔王の家にて

酒場を後にし、魔術師と狼の獣人と別れた魔王は、借家へと戻った。

しばらくすると、チャイムが鳴る。扉を開けると、そこには魔術師が立っていた。

――この借家は魔術師も知っている。予定は狂ったが、話ができそうで悪くはない。


「デート、楽しかった?」

魔術師はくすくすとからかうように問いかける。


魔王は苦笑しながら弁明した。

「派手にやったんだ。口止めしてる以上、断れん」


魔術師はやれやれ、とため息混じりに目を細める。

「解剖したら、臓器は人間と同じ。ただ、心臓の隣に魔力を生み出す小さな臓器がある。恐らく急所ね。壊せば死ぬだろうから、生け捕りの際は注意して」

「尋問の結果、どうやら地方の小国から来てるらしい。場所も特定済み。王様は入れ替わっているみたいね。姿を変えられるから誰も気づいていないし、ゲートは開き続けてる。予想通り、雑魚悪魔何体かを生贄にした結果みたい…そっちは?」


魔王は聞いた話を理解してから答える。

「魔族の存在は警察も恐らく知っている。だが、広めていないのは混乱を避けるためだろう。酒場にいた耳の良い子に噂程度に流れているということはそうだろうな、その程度だな。

場所が分かるなら、向かうか?」


魔術師は考え込む。

――魔王とはいえ、人間の状態で、親玉を含む何人がいるかも分からない所に乗り込む…?


やがて、一つの結論に辿り着き、口を開いた。

「魔王が復活したら、魔族以上の大惨事になるわ」


魔王は思わず胸中で呟く。

(今のでバレたか…)

「まぁな……勝てるかは相手の戦力を見ないと分からん」


魔術師は再び情報を整理する。

――強い個体はケルベロスの魔法を耐え、魔王の血を使わせた。

弱い個体でも、優秀な二人と共闘し、生け捕り、精神魔術は魔力量が1/3になればやっと多少の抵抗をしつつも効く…。


この結果から推測するに――魔王本体で向かって滅ぼせるかは、正直微妙だ。

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