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もう一人の英雄
魔王は頷く。
「ほう…この魔道具、作りが精密だな。どれも丈夫で長持ちしそうだ」
彼は一つひとつ手に取り、表面の細かい傷や接合部のわずかな歪みまで目を光らせる。
「恐らく、作った者にとっては二級品だろう…推測できる技術と完成度が一致していないし、素材も魔物の優れた部位から少し外れている」
思考を巡らせ、記憶の断片と照らし合わせる魔王。
「ふむ…あの勇者軍の武器は、あの店の奥にいた魔道具師の手によるものか」
そして、微かに笑みを浮かべる。
「だが二級品でも、研究には充分だ」
魔王は魔道具を手に取り、使用し、分解し、解析を繰り返す――
その背後で、薄暗い闇が静かに揺れる。




