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魔導歴史書  作者: ルイ
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魔道具店にて

宝石師は幼少期から研鑽を積んでいた。

いずれ家を追い出されることを覚悟していたからだ。だが、悪いことばかりではなかった。追放された後、魔法学院で偶然(あるいは必然か)過去に人さらいから助けた少女――魔道具師と再会したのだ。


二人は共に家柄を理由に蔑まれてきた。だが宝石師は実績を積み重ね、周囲を黙らせた。魔物の素材は魔道具師――彼女が加工し、二人は力を合わせて数多の魔道具を生み出していった。やがてその力は認められ、魔王討伐の任を託されるまでになった。


結果、宝石師含む勇者達は魔王を打倒し、その後は王都で魔道具店を営むようになった。二人にとって、戦いの延長線上にある新たな生き方だった。


一方その頃、魔王は意外な喜びを覚えていた。魔法学院で結果を出し続け、大きな収入を得たのだ。もっとも、元を辿れば自らの聖剣を売った金も含まれるので差し引きすれば痛み分けだが……。それでも論文執筆より実力で稼ぐ方が性に合っていた。


潤った懐を携え、魔王は王都で評判の魔道具店へと足を運ぶ。――だが、そこで待っていたのは、自らを滅ぼした勇者の仲間、宝石師だった。


気まずさを覚えながらも、魔王は気づかれまいと装いを崩さず、欲しい魔道具を買い集めた。もっとも、宝石師の視線は僅かに怪訝で、魔力から何かを感じ取っているようにも思える。


魔術師の隠れ家に戻った魔王は、購入した魔道具を机に並べた。

「……ふむ。構造を分析し、新しい理論構築に繋げるか」


そう呟き、かつての宿敵の店で得た品を手に、魔王はまた新たな研究に没頭するのだった。

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