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聖剣
さてと、目的地に着いたようだ。
風景はただの森――だが、魔術師も場所を指定されなければ気付けないほどの隠密魔法がかけられている。
先へ進むと、魔術師は絶句した。
平原と湖……あの湖は特殊な液体で、かなりの濃度の魔力が含まれているらしい。
だが、それ以上に目を引くのはあの岩だ――いや、岩に刺さった剣だ。
なんだ、あれは……?
魔王は静かに言った。
「聖剣だな。オリハルコン製だ。」
魔術師は驚きを隠せない。
「ミスリルはともかく、オリハルコンの加工なんて……聞いたことがありません」
魔王は魔術師の顔を見つめ、説明を続けた。
「ミスリルもオリハルコンも、洞窟の魔物の死体が反応してできた金属だ。元は鉄だよ」
魔術師は初めて聞く情報に目を見開きつつも、すぐに眉をひそめた。
「……加工の説明になっていません」
魔王は微かに笑いながら応じる。
「加工できないのなら、加工できるようにしてからオリハルコンに変えればいい。
鉄の剣をケルベロスの血に一年、そしてこの湖の水にさらに一年浸せば、鉄はオリハルコンになる」




