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第26話 自分が出来ることを

 自分に何が出来るだろう。

私はありとあらゆることを考えてみる。

郷野(ごうの)の兵が今どこまで近づいてきているか全くわからない。

わからないが、これしか方法はないと思った。

柊里城(しゅりじょう)に応援を頼みに行こう。

そう思い立って、すぐに留守を任されている指揮官の光成(みつなり)にそのことを話す。

「そんな無茶なことを!どこに敵が隠れているかわからないんですよ!」

「わかっています。でもこのまま何もしないで終わりたくないんです!」

「ななか様……」

「私が戻るまで籠城で時間を稼いでください。必ず戻りますから」

「わかりました。我々もこのまま終わるつもりはないです。出来ることをします」

光成(みつなり)はそう言って私に笑いかけ、頭を下げて他の家臣の元へ向かった。

(さて、偉そうに言っちゃったけどどうしよう……)

そう考えていると、柊里城(しゅりじょう)から一緒にここまで来てくれた従者や侍女たちが私の元に集まってきた。

「俺たちもななか様と共に参ります。お供させてください」

「皆さん、危険な目にあうかもしれないんですよ?」

「そんなことは承知しています。でも柊里城(しゅりじょう)への道は俺たちのほうが詳しいです。任せてください!」

そう言う従者の言葉に侍女たちもうなづく。

「目立たないように、農婦の格好をしていきましょう!」

「みんな……ありがとう!絶対に柊里城(しゅりじょう)まで行こうね!」

こうして私たちは、それぞれ農夫・農婦の格好をして柊里城(しゅりじょう)に向かって出発した__。


 葵山城(きやまじょう)の城門を静かにくぐり、外に出る。

周りに誰もいないことを確認して私たちは出発した。

最初は平坦だった道も、途中から大きい岩や石がある山道へと変わっていく。

「敵に見つからないよう、脇道を通っていきます。歩きづらいですが辛抱してください」

「大丈夫だよ。なんとしてでも柊里城(しゅりじょう)まで行かなきゃ!」

私が気合いを入れて答えるとみんなが微笑む。

「まだ先は長いです。少し休憩しましょう」

侍女がそう言って辺りを見回す。

すると、少し坂を登ったところに茶屋があるのを見つけた。

「あそこの茶屋で休憩しましょうか」

私たちは茶屋でお団子とお茶をいただく。

「あー美味しい!また歩くの頑張れる!」

束の間の休憩を終え、また歩き出そうとした時、何人かの刀をさした武士が通りかかった。

私たちはその姿を見て、そそくさと武士の横を通り過ぎようとした。

すると、その武士の中の1人が私に声をかけた。

「待て」

(え、何???)

下を向いている私を、執拗(しつよう)に見てくる武士がはっとして叫ぶ。

「お前、井村のところに嫁いだ姫だな?こんなところで会うとは。へへ、いい人質になる」

それを聞いた他の武士も集まってくる。

(バレた!どうしよう!)

「私は姫ではございません」

そう言って頭を下げて先を急ごうとする私に武士が怒鳴った。

「逃げるな!斬るぞ!」

武士は刀を抜き、私に向かってそれを振り下ろそうとする。

(斬られる!!!)

カキン

その時、武士の刀を受け止めるもうひとつの刀の音がした。

「待たせたな」

(この声は!)

私が声をするほうを見上げる。

そこには武士の刀から私を守っている(はやて)の姿があった。

(はやて)さん!」

「客を守るのも俺たちの仕事だって言っただろ?」

(はやて)はそう言いながら武士の刀を押し返す。

「くそぉ、許さん!」

激昂した武士が今度は(はやて)に斬りかかる。

しかし、(はやて)は峰打ちで次々と襲ってくる武士を薙ぎ倒していった。

(強い!)

(はやて)さん、なんでここに私がいるってわかったんですか?」

「お前の行動は、出張所のスタッフからの情報で全部わかるんだよ」

そういうと、(はやて)は私にデコピンをする。

「痛い!」

「全く、無茶な真似しやがって!このじゃじゃ馬姫!」

(はやて)は呆れるようなそぶりをするが、面白そうに笑って私を見た。

「ごめんなさい。でも、郷野(ごうの)の兵が葵山城(きやまじょう)を狙ってるって!それで私、柊里城(しゅりじょう)のみんなに応援を頼もうと思ったんです」

「わかってる。もう他のみんなが手を打っているはずだ」

(はやて)の心強い言葉を信じて、私たちは葵山城(きやまじょう)に再び戻るのだった__。



































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