虚空騎士ファイリスク二話part2
俺とアイリスは明日に備えるためにご飯を食べ、寝ることにした。とはいっても俺は焚火の炎を消さないように見張ってなきゃいけないしな、にしても俺がここにいるってことを海たちが気づいてくれるといいんだがな・・・
その頃同時刻地球軍日本支部では
「聡史は見つかったか?」
「海中将、いえまだ見つかっておりません。」
「そうか、何か手掛かりでもあればいいのだがな・・・」
「海中将!櫻田さんの居場所がわかりました!」
「なに、それは本当か?」
「はい、ちなみに場所なんですが————」
雨の中を走る・・・ただただ無我夢中で走っているだけ・・・少し遅れちまったから急いで約束の場所へいかねぇと
『いやな雰囲気だな・・・本当に。』
そんなつぶやきを走りながらしているよ。ふと横からサイレンの音が聞こえた
『あれは、救急車か・・・?なんかあったのか・・・いやそれよりも急がねぇと。』
通り過ぎた救急車を気にせずに約束のところに急いだ
・・・・のだが、目の前に移った光景は
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「・・・ハッ!」
やべ寝ちまったか・・・にしてもいやな夢見ちまったな。
「いや、そんなことしている場合じゃないって火の方は・・・消えちまったか。」
そりゃ寝ちまったらそうなるよな、とりあえず火を再びおこさねぇと
「ありゃ?火おこしをする枝がねぇな・・・集めに行くかぁ~」
「枝ってこういうのでいいの?」
「ああ、それだぜ。・・・ん?」
なんか、枝を拾ってくるべきじゃないやつの声が聞こえたような・・・いや気のせいか
「それで、火をおこすのは、これでいいの?」
いや気のせいじゃないな
「いやっ!待て待て、いいのかよアイリス?せっかくの服が台無しだぞ。」
「え?・・・いいの、こういうのはもう着ないって決めてるから。」
「おいおい、それが一国の姫様の言うセリフかよ・・・」
「だって、お父様と戦うんだもの、この服みたいなきれいなものじゃ戦えないじゃない、それにもうこういった服を着たくないっていうのもあるし、地球の服ってのも気になるから。」
「一応地球でもそういう服を着る場面とかあるぞ。」
「そうなの?」
「ああ、そうだな。ま、俺にはあんまり関係ない話だけどな。」
「ふーん、そうなんだ。」
「そういうものだ、だが枝を集めてくれたことには感謝している。火おこしは俺がやっておくからそこに枝おいておいてくれ。」
「わかったわ。」
焚火の近くに枝を置いてもらって、火をおこし始めた
「ねぇサトシ?」
「ん、なんだ?」
「サトシって毛先かけて色が違うんだね。」
「ああ、それか。」
「そういう風に髪を染めているの?」
「いや、生まれつきだな。特に気にはしてなかったからな・・・なんでこんな感じなんだろうな?」
「それ私に聞いてもあんまり意味はないと思うけど。」
「だよなぁ~」
「そこにいたか、聡史。」
「ん?おー、海。元気か~?」
「お前は少し緊張感を持て・・・ところでそのご令嬢は?」
俺の髪の毛先の話をアイリスとしていると海がそう声をかけて現れたのと同時にアイリスは俺の後ろに隠れながら顔を少し出していた・・・なんか柔らかい感触はあるけど
「大丈夫だアイリス。こいつは海って名前で誰よりも信頼できる奴だから大丈夫だから姿を出せって。」
とアイリスに行って俺の背中からアイリスを出した
「なんていうかね・・・こいつはアイリスでライリスク帝国の姫様だとよ。」
「初めまして、私はアイリス・ナイザール、ライリスク帝国の皇女です。」
「ライリスク帝国の皇女・・・」
というと海は拳銃を懐から出した。
「ちょっ、ちょっと待てよ海!こいつは敵じゃねぇ味方だ。」
「そこをどけ、聡史。お前は撃ちたくない。」
「いや、どかねぇよ。こいつは侵略行為をやめさせるためにファイリスクを探していたんだよ!これは本当のことだ!」
「じゃあその証拠を出してみろ、この人が敵ではない証拠をな」
「証拠って言ってもな・・・なんか証拠っていう証拠あったか?・・・お、アイリス。ファイリスク呼んでみろよ。あれはずいぶんな証拠になるんじゃないか?」
「なるほど、ねぇファイリスク。ちょっといい?」
「どうかしましたかアイリス様。」
「ファイリスクが自動的に動いただと。」
「お前!自分で動けるのかよ!」
「戦闘となると操縦は必要になるが、自分で動ける。あの指輪があればの話になるがな。」
「そうなのか。」
「ファイリスクお願いがあるのだけど。」
「なんなりと。」
「ありがとうね、それじゃあ私をあなたに乗せてほしいの。」
「・・・なんですと?」
「だから少し乗せてほしいのだけど・・・いいかな?」
「しかしですね・・・」
「乗せてやれよファイリスク、アイリスを殺されたくなかったらな。」
「・・・なんだと。」
「この方に信用してもらうにはそれしかないの・・・お願いファイリスク。」
「わかりました。」
そういうとファイリスクは手を出してアイリスをコックピットに入れたのを確認すると俺は海に
「なっ、アイリスは大丈夫だろ?」
「確かにファイリスクが自ら乗せたところを見るに、聡史が言っているのは本当のことのようだな・・・」
「ずいぶんとあっさり認めるもんだな・・・」
「お前が言ったんだろ?ファイリスクに乗れる条件は悪しき心を持っていないことと自由になりたいという気持ち・・・なんだろ?」
「おー、そういやそうだったわ。」
「お前な・・・」
「どうですか、海様?」
「わかった、あなたを信頼しよう。なによりこいつが敵じゃないっていうならそうだろう・・・そのうえで今回のことを試させてしまって申し訳ない。」
「いえ、どのみち信用してもらうためには仕方がないことです。」
「しかたねぇとはいえよ・・・そう思ってんだったら最初から言えよ海!」
「すまないな、私も地球軍の一員としての仕事を全うしたまでだ。」
「お前軍に入ってから妙に生真面目だよな・・・昔はアニメとか漫画の話で盛り上がってたのに。ま、昔から人を守る仕事に就きたいとは言ってたからあんまり変わらないか。」
「ふっ・・・」
「お二人は昔からの知り合いなのですか?」
「そうだぜ、いわゆる幼なじみってやつだな。」
「幼なじみですか・・・」
そういうとアイリスは顔を伏せた。その時の顔はなぜか浮かない顔をしていたが、あんまり聞かないほうがいいよな。
「あら~こんなところにいたのですね・・・それとなぜここに姫様がいらっしゃるのでしょうか?」
声のした方を見ると昨日俺が戦ったクルートというやつが乗った機体がそこにはいた