密室……
どうしてここに……
男は目覚めた。男が1人と女が2人こちらを見ていた。視界の端に鉄の扉が有った。男は立ち上がり扉の方に向かった。
「開かないよ」
「さっきやった、鍵が掛かってる」
4人は閉じ込められた。
「名前を聞いておこう…俺は崇だ。こっちが奈美恵でこっちが友梨佳」
「光三だ、どうして俺達はここに?」
「さぁ?」
「分からないんだよね…」
「気付いたらここに…」
誰もが同じ様な状況でここに居る。
「何か共通点が有る筈だ…余りいい事ではないだろうがな…誰か何かないか?」
「俺は…飲酒運転で人を跳ねた…助からなかった…」
「私は…点滴を抜いちゃった…」
「私…自殺しようとしてた友達を見捨てた…」
「…成る程、誰もが他人の命を奪ったって事か…」
[お前達には生き残りを掛けたゲームをして貰う]
無機質な声が響く。それと同時に、鍵が締まっている鉄のドアの下に有る小さな扉から飲み物が4つ入れられた。
[これを飲み、生き残った者がこの部屋を出られる]
4人は顔を見合せ1つずつコップを持った。全員が1口、飲み物を飲んだ。
「ぐぼぉぉ」
奈美恵は喉を掻きむしる様にし、口から血を吐き倒れた。音がし、鉄の扉が開いた。扉の先には階段が有る。登って行くとB2Fと掛かれた鉄の扉が有る。開いて中に入るとガチャンと音がし、また鍵が閉まった。
[次はテーブルに有るパンを食べて貰う]
無機質な声が流れる。3人は顔を見合せ、テーブルの上のパンを手に取り口に入れる。
「ぐがぁ~」
崇が喉を掻きむしりながら、大量の血を吐き出した。テーブルの先の鉄の扉は開いた。階段が有り登って行くとB1Fと書いてある鉄の扉が有る。中に入るとまたも扉は鍵が閉まる。
[目の前の武器で相手を殺すんだ]
無機質な声が流れる。2人は黙って武器を拾う。光三は日本刀、友梨佳は斧である。2人は向き合う。
「安心しな、俺は生きる資格のない男だ…これで自害する」
光三は日本刀を抜くと、自らの腹に刀を刺した様に見えた。そのまま踞る。それを見た友梨佳は光三に近付く。次の瞬間、友梨佳の首は胴体から離れていた。
「俺は通称ベビーフェイス、殺しが生業だ」
光三は友梨佳の頭を蹴っ飛ばす。音がし扉が開く。光三は階段を上がって行く。1Fと書かれた扉を開けると、同じ様に返り血を浴びた2人の男と1人の女が居た。
[殺し合いを始めるんだ]
「いつまでこのゲームを続けるんだ?」
[お前達が人を殺めた事を後悔するまでだ]
悪夢は続く……