金魚と俺は共存する
ラブコメ書こうと思いましたが金魚書いてしまいました。
キンギョ、キンギョ、キンキンキンギョ
峯田家では毎朝、奇妙なアラームが鳴る。
部屋の主は毎朝この妙なキンギョキンギョうるさいアラームで起きる。しかもこのアラームは目覚まし時計から鳴るのだから世の中には物が本当に沢山あると思う。
「キンギョ…。はっ、朝かっ!ピッキーとラッキーは元気か確認しなければ」
俺は急いで自分の部屋にいる金魚のピッキーとラッキーに餌をあげた。
「ハっハっハハ、やっぱりラッキーは餌の食いつきが良いな!ピッキーは糞の量が多くて掃除が大変だぞー!このヤローめ」
今日もピッキーとラッキーは元気に餌を食べていた。金魚は糞が多いから飼う人は少ないが俺は糞も含めて金魚が大好きだ!
「ミノルー!ご飯よ。降りてきなさい」
金魚を見ていたら如何やら邪魔が入ったな。仕方ない、親の言う事だ聞いておこう…。
「分かったー、今行く」
ピッキー、ラッキー、暫しの別れだごめんよ。
水槽からはビチャビチャと音がする。その動作が何だかピッキーとラッキーが寂しいよと言っているようで離れ難い。だが、これから学校もあるのだ。というか今日は入学式だ。怠さがとんでもない。
俺の家は一軒家なので普通に2階がある。因みに俺の部屋は2階だ。
俺は階段をドタバタと降りて行った。母が俺を呆れた目で見ていた。
「ミノル、金魚好きなのはいいけど、あのアラームは止めてちょうだい」
母はとんでもないことを言っていた。金魚アラームを止めろ何て俺に起きるなと言っているのか?俺は悲しいよ…。だから断ることにした。
「母よ…それは無理なんだ…。あのアラームが無いと俺は朝起きれないんだ」
母は俺がそう言ったら目を虚にしてため息をつきながら「そう……ご飯作っておいたから食べなさい」と言ったので俺は「分かった」と言ってリビングに行ってご飯を食べることにした。
リビングには父親と妹がいた。
俺に気づいたのか話しかけてきた。
「おはようミノル。今日は入学式だなぁ、父さんは行けないんだ。だから…ごめんな」
父が申し訳なさそうにしているので俺は「大丈夫だ」と言っておいた。
テーブルを見ると母が作ったであろう料理がおいてあった。
「おはよう兄ちゃん。ピッキーとラッキーの水槽の掃除を昨日したみたいだけど家の中でやらないで外でやってちょうだい。家の水道が臭くなって朝驚いたから…」
どうやら妹には迷惑をかけてしまったようだ。これは悪い事をした。謝っておくか。
「悪かった。今度から忘れてなければ外でやるよ」
絶対にやらないとは言えないから保険をかけておいた。
妹は保険をかけていたのに気づいていたのか睨みなが「兄ちゃん!」って言ってきた。更に「次やったらラッキーとピッキーはお庭の土になるわよ?」って脅してきた。
俺はそんな事をされたら情緒不安定になるので一言「分かった」って言っておいた。
妹恐るべし!!
俺は家族とわちゃわちゃしながらご飯を食べ終えた。
ご飯を食べ終えた俺は自分の部屋に戻り水槽の温度を確認しながら高校の制服に着替えた。新し制服は慣れないので少しばかり違和感を感じた。まあ、仕方ない。
因みに今更であるが家の金魚は和金と出目金で、和金の金魚の名前がラッキーで出目金の名前がピッキーだ。
金魚は糞の長さで金魚の健康状態が分かったりする。
「ラッキーは糞が長いな…。悪いが3日程絶食だ」
この通り糞が長いと絶食という残酷な事をしないといけなかったりする。それでも、俺はラッキーの体調の為だから仕方なく俺の楽しみでもある餌やりを諦めることにした。
「毎回思うけど…ピッキーは出目金のくせに長生きだな!」
出目金は基本6年ほどしか生きられないが、俺の飼っているピッキーは7年生きている。これは長生きだ。俺はピッキーと過ごす時間が大好きだから何なら俺が死ぬまで生きて欲しいけどな…。
「ミノルー。そろそろ学校に行くわよ」
母が俺の名前を呼んだ。
どうやらそろそろ学校に行かないといけない時間のようだな。残念だけど本当に暫しの別れのようだなピッキー、ラッキー。
入学式とは、入学した学校の校長の話の長さを知れる良い機会である。そして、新しいクラスメイトの顔を見れる。
ただ、入学式と聞けば分かると思うが言ってすぐに始まる訳ではない。最初に集合場所の教室に案内され無口のクラスに突っ込まれるのだ。経験あるかな?
「新入生~、廊下に出てください」
ガタッ、ガラ、ガリガリ
一斉に立ち上がるので床とイスがこすれる音が沢山鳴る。ある意味合唱かな?
「それでは名簿順に一列でお願いします。私、兼田が会場まで案内しますのでついてきてください」
どうやら兼田先生とやらについて行けばいいそうだ。兼田の年齢はは30歳前後だと思う。まお爺さん先生が担任が良いなあ。基本的にお爺さん先生に当たると教室の雰囲気良いからね。
そして、予定調和の如く入学式が始まった。
「ようこそ八百屋ヶ丘高校へ。これから何やかんやあると思いますが学校を辞めずにいてください……」
校長の話はつまらないのに長いと来た。マジで時間の無駄だと思う。まぁ仕方ないか。
「それでは、新入生代表挨拶。島倉奈緒さんお願いします」
「はいっ!」
綺麗な声で島倉奈緒と言う女生徒は壇上に立った。島倉本人の気持ちは伺えないのは本人ではないから仕方ない。
……と何やかんやあって面倒すぎる入学式は終わった。これからロングホームルームという地獄に等しい暇な時間が始まる。
あっ、プリントが配られた。
「皆さん、それは保護者に渡して欲しい手紙です」
どうやら手紙を親に渡せって事みたいだ。これから学校が始まるとなるとちょっと憂鬱だ。まぁ、家帰れば楽しいから良いか。
「以上で今日は終わりです。まだ、ジャージなどの購入をしていない方々はこれから説明会がありますので、もう少しばかり時間をいただきます。それでは入学式お疲れ様でした」
これまた予定調和らしい事を喋る…。というか一つ文句がある。何で担任がお爺さん先生じゃなくて面白く無さそうでしかも偉そうな兼田なんだよ?腹立たしいわー!そもそもこの学校にお爺さん先生いないって何なんだよ?いるのは頭をハゲ散らかしている校長だけじゃねぇか。
「ただいまー」
家に母と一緒に戻って来ると手紙をカバンを漁ってファイルごと渡して俺は洗面所に行って手洗いして自分の部屋に戻った。
俺はラッキーとピッキーの水槽を見て報告を始める。
「ラッキー、ピッキー、高校は堅苦しいところだったよ。青春なんて嘘吐きの病ごとだったよ。自分の欲望に正直なお前達は分かりやすいから見ていて疲れないな…。ピッキー、目玉でかいな…。当然か出目金だもんな」
ガチャンと隣の部屋から音が聞こえた。
どうやら、妹が帰ってきたみたいだ。
余りうるさくしないでおこう。
だから俺の唯一の楽しみを土に還さないで下さい。
面白かったら今後もこのような変わった物語を単発で書くと思いますので見ていただきたいです。