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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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85 エイミとミールのレベル上げ

 そして昼食を終え午後の授業も終わり放課後。

 ミールのレベル上げの開始だ。

 入学初日で他の生徒からも声をかけられたが今日のところは断った。



「ではさっそく特訓開始と行こうか」


 アイラ姉が言う。

 今この場にはオレとアイラ姉、エイミとミールしかいない。

 レベル上げにはシノブにも来てもらいたかったんだが、中等部で色々やることがあるらしくすぐには来られないようだ。


 まあオレとアイラ姉のスキルの効果を合わせて獲得経験値200倍になるしそれで充分かな。



 後は特訓する場所だな。

 さすがに初日から学園のグラウンドを使って目立ちたくはない。

 エイミとミールにいきなりある程度の秘密をバラすことになるが別にいいだろう。


 場所はもう決めてある。

 アイラ姉にも了承はもらった。


「転移」


 オレが魔法を使うと一瞬で学園から別の場所へと移動した。

 ここはアルネージュの町の第三地区。

 オレ達の住む家の前だ。

 王都からアルネージュの町は馬車などで数日はかかる距離だが転移魔法を使えば一瞬だ。


「ば、場所が変わっちゃったよ······!?」

「どこですか、ここは······?」


 エイミとミールは突然場所が変わったことに驚いている。オレは転移魔法について説明した。

 やはり転移魔法は一般的に知られていないらしく二人も知らなかったようだ。


 色々驚いているがそれよりも特訓だ。

 家の裏はちょっとした広場になっていて特訓にはちょうどいい場所なんだ。



 さっそく向かうとそこには数人の子供達がいた。

 オレ達が色々手助けしたこの近くの孤児院に住む子供達だ。

 その中の年長組の子達でアイラ姉の特訓と教育でかなりの強さになっている。

 どうやらオレ達が留守の間もしっかり訓練をしていたようだ。


「アイラ姉ちゃん! レイ兄ちゃん! 帰ってたの!?」


 オレ達に気付いて嬉しそうに駆け寄ってきた。


「一時的の帰還だ。ウム、どうやらしっかり訓練しているようだな」


 アイラ姉が満足そうに言う。

 子供達がオレ達の後ろにいるエイミとミールに気が付いた。


「アイラ姉ちゃん、この人達は?」

「もしかしてエルフ?」


 子供達の疑問にアイラ姉は特訓しに来たと簡単に説明する。そしてちょうどいいと言わんばかりに子供達とミールに手合わせするように言った。


「この子達と手合わせ············ですか?」


 ミールが戸惑うように言う。

 まあ明らかに年下の子達だからな。

 でもアイラ姉に鍛えられてるからかなり強いんだよ?



[リュウ] レベル65

〈体力〉1640/1640

〈力〉640〈敏捷〉550〈魔力〉210


〈スキル〉

(騎士の剣術〈レベル3〉)(闘気)

(力増加〈小〉)



 一番強いリュウのステータスがこれだ。

 そこいらの冒険者や騎士よりも強いくらいだ。

 他の子達もレベル50~60くらいになっている。


 ミールも鑑定魔法を使ったようで子供達を見て驚いていた。

 最初はリュウとの手合わせをすることになった。

 リュウは木の剣。ミールは安物の杖を手に取る。

 多少の怪我ならば回復魔法やポーションがあるので心配ない。


 ミールは魔法主体の戦闘スタイルのようだな。

 得意魔法は「氷」属性らしい。

 特別クラスに入れるだけあってそれなりに強い。

 しかしここまでレベル差があるリュウに勝てるはずはなかった。

 リュウの軽い攻撃を受けてミールが膝をつく。


「そこまで!」


 アイラ姉の合図でリュウとの手合わせが終わる。

 その後も他の子達とミールが手合わせをした。

 まあ結果はミールの全敗だが。


「レ、レイ君······ここの子達なんでこんなに強いの? ミールだって結構強いはずなのに······」


 子供達との手合わせを見ていたエイミが信じられないといった感じで聞いてくる。

 ミールの強さは大体わかった。

 説得力が無いように聞こえるかもしれないがミールは強い。

 同レベルなら子供達に負けたりしないんじゃないかな。


 今の手合わせでミールのレベルは24まで上がっていた。


「ウム、では次の訓練に移る。まだやれるか?」

「············やれます!」


 悔しそうな様子だが心は折れていないようだ。

 アイラ姉はかなりスパルタだからな。

 大丈夫かな?

 子供達は訓練を終え、自分たちの仕事に戻っていく。

 この場にいるのはオレとアイラ姉、エイミとミールの四人だけになった。



「次の訓練はエイミも参加するといい。どうせなら二人ともレベルを上げた方がいいだろう」

「えっ······わ、わたしも······ですか?」


 エイミの実力は見ていないがステータス的にミールとほぼ同じくらいだろう。


「次は何をするのですか?」


 ミールが問う。

 子供達に負けたのが悔しいらしくやる気は充分だ。エイミは狼狽えているが。


「次は実戦だ。レイ頼むぞ」


 アイラ姉が言う。

 といってもオレ自身が二人と戦うわけじゃない。

 オレはダンジョンコアを取り出しゴーレムを1体召喚した。


 ゴーレムの中では一番弱いウッドゴーレムだ。

 全身が木のような素材で出来ていて体長はおよそ2メートルくらいかな。

 レベルは20。二人の相手にちょうどいいだろう。


「え、ええーーっ!? ま、魔物が出てきたよっ!?」

「落ち着いて下さい姉さん、どうやらレイさんが出したみたいです」


 驚くエイミに冷静に指摘するミール。


「二人にはコイツと戦ってもらうよ。手加減はさせるから命の危険はない。でも油断してたら怪我するよ」

「て、手加減させるって······このゴーレム、レイ君の言う事聞くの?」


 ゴーレムは魔物の部類に入り、それを使役しているのが信じられないみたいだ。

 まあ魔物を召喚できるダンジョンコアは普通では手に入らない物らしいからな。


「ワタシ達は本気で戦いますけど······このゴーレム壊してしまってもいいんですか?」

「ああ構わないよ。思い切りやってくれ」


 ミールが確認してきたのでオレは頷いた。

 召喚したゴーレムはたとえ破壊されてもダンジョンコアに戻してしばらくすれば修復されている。

 修復にはそれなりの魔力を込める必要があるがオレなら大した手間じゃない。



 そうしてエイミとミールがウッドゴーレムと戦う。

 エイミはあわあわと少し危なっかしいがそれでも的確に魔法を撃っている。

 ミールは「氷」属性が得意そうだったがエイミは「炎」属性が得意みたいだな。対称的な二人だ。

 ミールは冷静にウッドゴーレムに攻撃を加えている。

 姉妹だけあってなかなかいい連携だ。


 最後はエイミの「炎」魔法でウッドゴーレムにトドメを刺した。

 お、二人ともレベルが上がったな。

 エイミはレベル22、ミールはレベル28になっていた。


「さあ休んでいるヒマはないぞ。レイ、次だ」


 アイラ姉の言葉に応えてウッドゴーレムをさらに3体召喚した。


「えええーーっ!? ま、また出てきたよ!?」

「······何体でも出せるんですかレイさん?」


 ウッドゴーレムは全部で200体までなら同時に出せる。

 魔力的にはもっと召喚できるんだがそれ以上は出せなかったんだよな。


 それはさておき今度は3体同時に相手をしてもらうがレベルが上がったんだしいけるはずだ。

 苦労しながらも二人がかりでゴーレム3体を倒した。


 だがまだ終わりじゃない。

 オレは次々とゴーレムを召喚した。

 ウッドゴーレムだけじゃなく上位種も加えていく。



 土で出来たマッドゴーレム。レベルはおよそ25。

 岩で出来たロックゴーレム。レベルはおよそ30。


 二人ともレベルが上がっているのと戦い慣れてきたようで倒すのが早くなっている。

 二人の魔力が切れたらオレが魔力を譲渡して回復させた。


 まだまだアイアンゴーレムやミスリルゴーレムなどもいるんだがさすがに一日の特訓で戦うには早すぎるよな。


「よし、これまでとしよう」


 数多くのゴーレムを倒した所でアイラ姉が訓練の終わりを宣言した。

 かなりの時間が経っていたようだ。

 もうすっかり日は暮れて暗くなっていた。

 エイミとミールもフラフラだ。



「レイ、悪いが食事の用意をしておいてくれ。私は二人を風呂に案内する。汗は流した方がいいだろう」

「ああ、わかったよアイラ姉」


 オレは頷いた。

 そうしてアイラ姉は二人を風呂のある建物に連れていった。






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