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8 自重無しのスキルと魔法で生活改善

 さっそく借りた土地のある第三地区に行ってみることにした。

 町の中心街と違い、第三地区と呼ばれるこの辺りは建物もそうだが土地そのものが荒れ果てていた。


 商業ギルドのギルドマスターの話によるとアルネージュの町は何年か前に魔物の大群に襲われたらしい。

 何とか撃退出来たものの相当の被害が出たようだ。この第三地区は特に被害が酷かった所らしい。


「ここか······」


 地図の場所まで来て思わず呟いた。思ってた以上に広い。元の世界でオレの通っている学園の数倍はあるんじゃないか?

 しかし土地の荒れ方も酷い。

 魔物が毒を撒き散らしたらしく周囲は草木も生えない有り様だった。

 神官と呼ばれる聖職者達が浄化したらしいが魔物の毒が強力過ぎたため未だに土地を蝕んでいる。


 お陰でこの辺りは人の気配がまるでない。

 まあ、人がいないのはオレ達にとっては好都合だがな。



「ではさっそく始めるか。まずは土地の浄化だな」


 アイラ姉が浄化魔法を唱えて、土地を浄化していく。普通は神官や聖女など限られた人しか浄化魔法は使えないらしいが、オレ達は何故か問題なく使える。

 あっという間に荒れた土地が新鮮な空気に満ちた場所になった。


「次は拙者が土魔法とやらで地面を整えるでござるよ」


 そしてシノブの魔法で荒れた地面が栄養豊かな土に変わる。わずか数分で荒れていた土地がガラリと姿を変えた。


「次は建物だね」


 まずはオレ達が住む家だ。間取りは既に決めてある。オレとシノブとアイラ姉、それぞれの部屋にキッチンにトイレ。

 昨日までに三人で話し合い決めていた。


 建物の素材はオレがいくらでも召喚できる。

 火事で燃えない、簡単には壊れない頑丈なのがいいな。


 どうやって建てるかって?

 そこはアイラ姉の(アイテム錬成)の出番だ。


 どうやら家自体もアイテム扱いらしく、素材を集め、間取りさえ決めればアイラ姉が簡単に造り出してくれる。

 素材の山があっという間に家の形に変わっていくのはまるで魔法のようだ。

 いや、本当に魔法だったな。



 そして本当にあっという間に立派な家が完成した。貴族が住んでいるように見える立派な屋敷だ。

 しかも中はオレ達の世界基準の現代風だ。


 水道やガス、電気などはもちろんないがそこはシノブのスキル(魔法付与)の出番だ。

 水道は水属性を付与することで再現できた。

 魔力を送ることで水が半永久的に出てくる。止める時は蛇口を閉めればいい。


 ガスと電気も炎属性や光属性などを付与すれば再現できた。使った水は浄化して、近くの川に流れ出るようにした。(トイレも水洗トイレにして浄化して流れる)

 これで現代日本とほぼ同じ生活ができる。

 いや、この家なら向こうよりも豪華かもしれないな。



 さて、次は風呂場だ。家の中には造っていない。

 外に別の建物を造り、温泉施設のような本格的なものを建てるつもりだ。


 男女別々に二つ造ろうかと言ったんだがアイラ姉とシノブがどうせ自分たちしか使わないのだからわざわざ造る必要はないだろうとのことだった。

 まあ使う時間をずらせばいいだけだもんな。


 そうして完成した風呂用の建物は現代の高級旅館にも負けないような温泉施設になった。

 三人だけで使うには広すぎる気はする。

 シャワーもあり、広々とした湯船がある。さらに魔法付与で浄化機能も付けたので清掃しなくても常に綺麗な状態になっているという、至れり尽くせり状態だ。


 石鹸やシャンプー、リンスなどはシノブの薬物錬成で作ることができた。



「すまないレイ、さっそく入りたいのだが先にいいか?」

「拙者も入りたいでござる」


 アイラ姉とシノブが言う。

 何せ10日ぶりの風呂だからな。気持ちはわかる。


「ああ、構わないよアイラ姉、シノブ」


 二人が入っている間にオレは別のことをやっておこう。








(シノブside)


 この異世界とやらに来て初めての入浴でござる。洗浄魔法とやらで身体をキレイにできるでござるがやはり風呂には入りたいでござる。

 アイラ殿も師匠も同じ考えだったようでござるな。服を脱ぎ、浴室に入るでござる。


「フム、自分で造ったとは思えない出来だな、これは」


 アイラ殿も服を脱ぎ、中に入ったでござる。確かに一瞬で造ったものとは思えないでござるな。


「シノブ、まずはシャワーで身体を洗ってから入るのだぞ」

「承知してるでござる、アイラ殿」


 身体はあまり汚れておらぬがこれはマナーでござる。蛇口を捻ると温かい湯が出てきたでござる。

 久しぶりの感覚で、とても気持ちいいでござるな。


 この石鹸、シャンプー、リンスなどは拙者が作ったものでござるが、魔力とやらを込めれば勝手に出来てしまうので自分で作ったという気がしないでござるよ。


「はあ······やはり湯に浸かるというのは良いな」

「本当にでござる」


 やはり風呂は最高でござるな。

 この浴槽、10人以上が余裕で入れそうなくらい広いでござる。

 少し広く造りすぎではと思ったでござるがやはり広々とした方がいいでござるな。


 ······しかしこうして見るとアイラ殿のスタイルはすごいでござるな。

 拙者もアイラ殿くらいの年になれば胸もあれくらいに成長するでござるか?


「しかし魔法というのはすごいな。これを自分で造ったとは思えん」


 アイラ殿の意見に同感でござるよ。

 拙者も自分の力と言われてもピンとこないでござる。


「この未知の世界に迷い込んだときにシノブとレイがいてくれて良かったと思ったぞ」

「急にどうしたでござるかアイラ殿?」


 アイラ殿らしくないというか、弱気な発言でござるな。


「この何もかもが未知の世界に一人だけで迷い込んでいたらと思うとゾッとしてな。私一人だったらこんなに冷静ではいられなかったかもしれん」


 うーん、アイラ殿に限ってそれはないような気がするでござるが。

 でも確かに一人きりは嫌でござるな。


「拙者もアイラ殿と師匠がいてくれて良かったでござるよ」

「フフッ、嬉しいことを言ってくれるな。よし、シノブ。お前の身体、私が洗ってやろう。久しぶりの風呂だ、存分に楽しもう!」

「え、いや······拙者は一人でも」

「フフフッ、遠慮をするな」


 その後アイラ殿に身体中たっぷり洗われたでござる。久方ぶりの入浴でアイラ殿のテンションとやらが上がっていたようでござる······。






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