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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第三章 王都レイルゼード 学園地下迷宮
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64 結界の町の少年少女

「フム、こうして私達だけで依頼を受けるのも久しぶりだな」


 今日はアイラ姉とシノブの三人で行動していた。

 色々と忙しい日々を送っていたので、こうしてこの三人だけというのも確かに久しぶりな気がするな。

 冒険者ギルドの討伐依頼を適当にこなしながら町の外の探索をしている。

 今は森の奥地まで来ていた。



 まだ町の周辺をすべて回ったわけではないので何か珍しいものでもないかと少し期待している。

 ファンタジー世界なんだし隠された遺跡とかあっても不思議ではないんじゃないかな?


 例えばエアリィの故郷の妖精族の里やスミレの故郷の幻獣人族の里のように結界で存在を隠しているような所が他にもあるんじゃないだろうか?



 そんなことを思ったのは()()()だったのだろうか?

 目の前に巨大な魔力の膜のようなものが見えた。


「ム、この先に何かあるな」

「どうやら結界のようでござるな」


 アイラ姉とシノブも気付いたようだ。

 確かに結界のようなものが見えるがまさか本当にこんな町の近くの森にそんなものがあるとは······

 領主のセルグリットさんやグレンダさんはこれを知っているのだろうか?


 そもそも何の結界だろうか?

 かなりの規模で広がっている。

 少し結界に触れてみ············。



―――――――――ビシィッ!!!


 突然何かに亀裂が走ったような音が響いた。


「レイ、何をした?」

「いや······オレはまだ何もしてないよ······」


 アイラ姉が疑いの目を向けてきたが本当に何もしていないぞ。

 まだ結界に触れる前だったし············確かに触ろうとはしたが。


「アイラ殿、師匠! 結界が······」



―――――――――――パキイィィンッ!!!


 シノブの言葉とほぼ同時に目の前の結界が粉々に砕けた。

 そして視界の先に今まで森の木々しかなかった場所に大きな町が姿を現した。

 MAPにも町の表示が出た。

 深い森に囲まれるように姿を見せた町はアルネージュ程ではないが充分に大きな町だ。


 ······こんな大きな町が今まで見えなかったのか。

 結界って思ってたよりも凄いものなんだな。

 というかその結界がどう見ても壊れてしまったんだが·············オレのせいじゃないよな?


「町が魔物に襲われているでござるよ!」


 シノブの言う通り町のあちこちで魔物が暴れていた。

 結界が壊れたから魔物が入ってきたというわけでないようだ。

 どういう状況かわからないが放っておくわけにもいかない。


 町の建物はかなり頑丈のようで魔物が暴れてもなかなか崩れたりはしていない。

 町の人々は建物の中に避難しているようだ。



 オレ達は魔物を倒しながら探知魔法で魔物の発生原因を探す。

 状況から考えて結界が壊れる前から魔物に襲われているようだから町のどこかに魔物の発生原因があるはずだ。


 町の所々で戦闘が行われている反応がある。

 おそらく町の衛兵か警備の人達が魔物と戦っているのだろう。

 ············ん? 町の中央広場のような場所では人と人が戦っている。

 どっちも魔物の反応じゃない。


「アイラ姉!」

「わかっている、町の中央に向かうぞ!」


 アイラ姉も気付いていたか。

 オレ達は町の中央広場に向かった。



―――――――――ガガッ!! ゴッ!! ギンッ!!


 激しい戦闘音が響いている。

 中央広場では男と女の二人が戦っていた。


「マジックアロー!!」


 女が矢のような魔力の塊を男に向けて放った。


「あっはははっ!!」


 男は笑い声をあげながらそれをかわした。


「あはははっ!! さすがだねテリア!」

「もういい加減にしなさい! ユウ!!」


 男と女が言い合いを始める。

 男はユウ。女はテリアというみたいだな。

 どちらもシノブより少し年上、オレより下くらいに見える。14~15才くらいだろうか?


 男と女というより少年少女といった感じだな。

 だが、ただ痴話喧嘩をしているわけじゃなさそうだ。



[ユウ] レベル◎●○

〈体力〉◆◇▷○/■◆◇◎

〈力〉1890〈敏捷〉2440〈魔力〉◎◆◇○


〈スキル〉

(物質具現化)(詠唱破棄)(●○◇◆■●)




[テリア] レベル155

〈体力〉3380/5540

〈力〉990〈敏捷〉2650〈魔力〉3200


〈スキル〉

(物質具現化)(詠唱破棄)(魔力増加〈大〉)

(魔力回復速度上昇〈大〉)



 二人ともかなり強いな!?

 少女の方はレベル155もあるぞ。

 だがそれよりも気になるのが少年の方はステータス画面がバグったように所々読めない部分がある。

 どういうことだ?


 少年少女がオレ達に気が付いた。


「あれ? 町の人間じゃないね。さっき結界を破ったばかりなのにもう外から人が入ってきたんだ」


 少年が言う。

 オレ達の存在に驚いている感じじゃないな。

 逆に少女の方はかなり驚いているようだが。

 今の言葉から推測するとこのユウという少年が町を覆っていた結界を破壊したのかな?



 まるで状況が理解できないけど············オレ達はどう行動するべきかな?







予定では王都に向かう話になるはずでしたが、王都編のストーリーがまだ出来ていないのでこのエピソードを入れることになりました。

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