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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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529 合流

 謎のゴーレムによって天使族の遺跡に無理矢理連れて来られてしまい、どうするべきか悩んでいる。

 転移魔法も使えず、念話も通じないので何とか自力で脱出するしかない状況だ。


 いや、それよりも何処かにいるトゥーレミシア達と合流するべきか?

 味方······とは断言出来ない人だが、この状況ではお互いに協力し合った方がいいはずだ。


「――――――自己修復、完了しました。私も全力で主人(マスター)に力添え致します」


 どうやらサフィルスの傷は完全に癒えたようだ。

 なんだかんだサフィルスも戦力として期待出来るし、完全回復したのは心強い。



 さて、いつまでもここが安全とは限らないし、そろそろ移動した方がいいだろうな。

 けどMAPも使えない状況で闇雲に動いても、敵をおびき寄せてしまうだけだろうしな。


「――――――主人(マスター)、これを」


 サフィルスが壁を指差した。

 何もない無地の壁かと思いきや、近付くと地図のような記号が浮かんできた。

 もしかして、天使族の遺跡の地図か?

 全体図ではなさそうだが、この周囲の建物などが詳しく書かれていた。

 遺跡というより本当に大都市ってレベルの規模だな。


 どうやらこの辺りは一般居住区にあたる場所で、ここを抜けた先に何やら重要っぽい施設があるみたいだ。

 とりあえずはそこを目指すか。


「よし、大体わかった。サフィルス、ここを出るぞ」

「――――――了解しました、主人(マスター)


 周りを警戒しながら、オレ達は建物を飛び出した。この辺りはゴーレムの姿は見当たらない。

 いや、チラホラ確認出来るが最初に現れた数ほどじゃない。

 最初に連れて来られたあの辺りも、何か重要な施設があったのかな?

 まあ、考えてもわからないか。




 飛んでの移動は目立ちすぎるので、徘徊しているゴーレムに見つからないよう建物の影に隠れながら進んでいく。

 さっきの地図を見る限り、この辺は一般人の住む居住区だと思われるのだが、ゴーレム以外見当たらない。


 外から周囲の建物の中を確認しても、天使族らしき姿はどこにもない。

 まあ天使族自体見たことないから、どんな姿なのかは想像するしかないのだけど。

 白い翼を生やして、頭に輪っかでも浮かべている姿だろうか?

 まさか、あの機械人形のようなゴーレムが天使族ってことはないだろうな?



――――――――――!!!!!



「侵入者ヲ発見。至急、増援ヲ求ム」


 しまった、徘徊中のゴーレムに見つかった。

 警報を鳴らし、周囲のゴーレムを呼び集めている。


「――――――敵はすべて殲滅します」


 サフィルスが全身から刃物を出し、戦闘態勢に入る。傷が癒えたことでサフィルスもやる気満々だな。

 しょうがない、まだ大した数が集まってない内に蹴散らしてしまおうか。

 オレも剣を抜き、構えた。


「はあっ!!!」


 襲いかかって来るゴーレム達を次々と斬り倒していく。油断出来ない強さではあるが、(神聖剣術)を使う程じゃないな。


「――――――ソード・フェスティバル」


 サフィルスも身体中から無数の刃物を飛ばし、ゴーレム達を斬り刻んでいく。

 どうやら関節部分を的確に狙っているようで、いくつか弾かれているものの、ゴーレム達を一体一体確実に倒している。


 さっきの聖獣や、このゴーレム達を倒している経験値を得て、サフィルスのレベルはいつの間にか990まで上がっていた。

 もう少しでレベル1000を超えそうだな。

 レベル1000を超えたら、サフィルスも(超越者)のスキルを獲得するのだろうか?


 


 この場に集まったゴーレムはすべて撃退した。

 だが遠くから足音が聞こえるので、またすぐに増援が来そうだ。


「サフィルス、敵が来ない内にここを離れるぞ!」

「――――――了解しました、主人(マスター)


 ゴーレムがまた集まってくる前に、オレ達は駆け出した。とりあえずは地図で見た施設まで走ろう。

 もう、その建物は目と鼻の先だ。



――――――――――!!!!!



 目的の建物が見えてきたと思ったら、何やら爆発音が響いてきた。

 建物の入口付近に大量のゴーレムが集まっていて、何かと戦っているみたいだ。

 トゥーレミシアか?

 それともサフィルス以外の殺戮人形(キラードール)か?

 ここからではゴーレムが壁になっていて、誰を相手にしているのか確認出来ない。



「ハハハハハッ!!! 精々耐えてみなっ!!! ブレイクショック!!!」



 そんな声が聞こえるのと同時に、集結しているゴーレムの中心から凄まじい衝撃波が放たれた。

 オレとサフィルスは足を止めて防御態勢に入った。


 衝撃波によって、すべてのゴーレムが粉々に吹き飛んでいった。

 一歩防御魔法が遅れていたら、オレ達もああなっていたかもしれない。


 今の声、そしてこんな無茶苦茶なことが出来る奴には心当たりがある。



――――――――――!!!!!



 ゴーレムの残骸の中から黒い影が飛び出し、オレに攻撃を仕掛けてきた。

 オレは咄嗟にオリハルコンの剣で攻撃を受け止めた。


「············ん? 生き残りのゴーレムかと思ったら、レイじゃねえか。なんでお前がこんなところにいるんだよ」


 攻撃の力を緩めず、さらにオレを押し込もうとしていたが、ようやくオレを認識したらしく止まってくれた。


「久しぶりだってのに、あんまりな挨拶じゃないか? バルフィーユ」


 攻撃がもう来ないことを確認して、オレも剣を収めた。



 やはりというか、オレに攻撃してきた黒い影は戦闘狂の魔人バルフィーユだった。

 コイツと合流出来たのは運が良いのか悪いのか、判断出来ないな。




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