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突然異世界転移生活 ~たまに変態が出没する異世界冒険記~  作者: キューブック
第七章 古代天上都市フェーマ 天使族の置き土産
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526 撃破

 魔物を王都から離れさせるために、オレはサフィルスを抱えながら飛び上がった。

 魔物の狙いはサフィルスのようで、案の定すぐに追ってきた。



 オレは「風」魔法の応用で空を飛べるが、まだ自由自在とは言えないので、とにかく全速で飛ばしている。

 魔物もかなりの速さで、ジワジワと追いついてきている。もう王都からは大分離れたし、この周囲には人の気配もない。

 ここいらで降りるか。


「!!!!!」


 魔物もオレ達と同じく、地上に降り立った。

 あのまま飛んでいても逃げ切れなかっただろうし、そもそも逃げるつもりもなかった。

 ここでなら周囲を気にせず、本気で戦える。


「サフィルス、あいつはオレが相手をするから回復に専念していろ」

「――――――わかりました。申し訳ありません、主人(マスター)


 サフィルスは人形であるため、回復魔法や回復薬(ポーション)などは効果がない。

 だが、サフィルス自身に自己修復機能があるので、しばらく休めば大丈夫のはずだ。



 オレは剣を抜き、魔物の様子を伺う。

 ちなみに武器は、アイラ姉に作製と強化をしてもらった量産型のオリハルコンの剣だ。

 エルフの里の件で魔剣(ヴィオランテ)を失ってしまったからな。


 新しい武器はアルネージュの町の鍛冶師、ドルフさんとガルナンさんに依頼中で、まだ手元にはない。

 しばらくは平和な学園生活を謳歌するつもりだったので、まさかこんなに早く武器が必要になるとは思わなかったからな。

 とはいえ今オレが手にしているのは、アイラ姉のスキルで極限まで強化したオリハルコンの剣だ。

 ()()()()()()()、これで充分のはずだ。


「!!!!!」


 魔物がオレを睨み、出方を伺っている。

 この魔物、聖獣と呼ばれる存在らしいのだが、ただの魔物と何が違うのかわからない。

 少なくとも、ゲームとかでよく見る知恵ある魔物のように言葉が通じる、とかは期待出来そうにない。


「!!!!!」


 なかなか動かないオレに痺れを切らしたのか、魔物が翼を広げ、飛びかかってきた。

 オレは魔物の攻撃を躱しながら、サフィルスから距離を取らす。

 魔物の注意は、サフィルスよりもオレの方に強く向いたようだ。


神魔斬衝剣(しんまざんしょうけん)!!!」


 出し惜しみなしで、いきなり(神聖剣術)をお見舞いしてやった。

 量産型の剣とはいえ、オリハルコン製でアイラ姉のスキルで強化してあるから、数発くらいなら反動にも耐えられるだろう。

 壊れても予備がまだあるしな。


「!!!??」


 さすがに(神聖剣術)は効いているようだな。

 魔物が叫び声をあげて後ろに飛び、オレから距離を取った。


「!!!!!!!!!!」


 魔物が口から連続で火の球を吐き出してきた。

 近付いたらマズいと判断して、遠距離攻撃に徹してきたか。

 避けるのはそんなに難しくないが、一発一発の威力がかなり大きく、周囲に次々とでかいクレーターが出来上がっている。

 場所を移して正解だったな。

 こんな攻撃を王都の中でやられていたら、大惨事になっていた。



 やられっぱなしじゃなく、オレも魔物の攻撃を掻い潜りながら近付いていき、斬りつける。

 すると魔物は飛び上がり、再びオレから距離を取る。さっきの(神聖剣術)が効いたのか、よほどオレを近付けたくないらしい。

 距離を取ったら、再び遠距離攻撃を繰り出してくる。このままじゃジリ貧だな。



 今までの攻撃から判断して、この魔物はおそらく今のオレよりもステータスは低い。

 (超越者)のスキルを手に入れる前だったらヤバかっただろうが、今のオレなら正面から戦っても勝てるくらいの相手だ。


 大体の攻撃パターンもわかったし、これ以上の被害が出る前に倒してしまおう。

 オレは近距離転移で魔物の後ろへ飛んだ。


「!!!??」


 魔物が一瞬、オレを見失い動揺した仕草を見せたが、すぐにオレの位置を掴んで振り向いた。

 だが遅い。

 オレは剣にありったけの魔力を込めて、振り下ろした。


「はああっっ!!!!!」


 不意打ち気味での(神聖剣術)の一撃だ。

 まともにくらった魔物は叫び声をあげて倒れた。



〈レベルが上がりました。各種ステータスが上がります〉



 おっ、レベルアップしたぞ。

 思ったよりもあっさり倒せたな。

 今のでオリハルコンの剣が壊れてしまったが、まあ仕方無いだろう。


 それとレベル1000を超えてからは、また普通に上がるようになったな。

 改めてステータスを確認してみたら、レベルが一気に1400まで上がっていた。

 いくらなんでも上がりすぎだろう。

 限界の壁を超えたことでレベルが上がりやすくなっているのかな?

 それとも今の魔物がそれだけの大物だったということか?

 この場にアイラ姉とシノブがいて、獲得経験値2000倍になっていたらどうなっていたのだろうか。




「――――――さすが主人(マスター)です。あの魔物を容易く殲滅するとは」


 サフィルスに声をかけられて、余計な考えを中断した。今は他に考えるべきことがあるんだった。

 サフィルスもそこそこ回復したみたいだし、詳しい話を聞くとするかな。



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